秋の東京は一次から激戦!東海大菅生vs二松学舎大附など各ブロックで好カードが目白押し!
左から田中 幹也 (東海大菅生)堀川 尚希(二松学舎大附)
まだ夏の甲子園大会の余韻が残っているが、秋季都大会の1次予選の組み合わせが早くも決まった。
組み合わせの抽選会場がどよめき、驚きの声が上がったのが、この夏、東東京代表になった二松学舎大附と西東京代表になった東海大菅生の対戦が、初戦でいきなり激突することが決まった時だ。代が変わったとはいえ、もし二松学舎大附が三本松に勝っていれば、甲子園の準々決勝で対戦していたカードだ。
東海大菅生にはエース候補の戸田 懐生、攻守の要・田中 幹也、4番を打った片山 昂星らが残り、二松学舎大附には堀川 尚希、平間 陸斗、畠山 大豪ら攻撃の中心選手が残っており、秋季都大会でも当然優勝候補になる。しかし甲子園から戻って間もないため、二松学舎大附は24日に新チームの最初の練習試合を行ったばかり。東海大菅生は25日に甲子園出場選手を除いて紅白戦を行い、ベンチ入りのメンバーと背番号を何とか決めた状態だ。
本来であれば1次予選を地力で勝ち上がり、10月の本大会までにチームの骨格を固めたいところだが、いきなりの強豪対決は、両チームにとって頭の痛いところだ。しかも敗れたチームは、春も1次予選からの登場となるだけに、この試合の結果は、夏のシード校争いにも影響を及ぼす可能性がある。
早稲田実も激戦ブロックに
清宮 幸太郎が抜けたとはいえ、雪山 幹太、野村 大樹のバッテリーらが残る早稲田実業は、優勝候補として注目のチームであることに変わりはない。早稲田実業は初戦で都立の強豪・小山台と対戦。小山台の戸谷 直大は、夏もエースとして活躍しており、球威はある。勝てば日大鶴ヶ丘と都立文京の勝者と戦うことになる。西東京の私立の伝統校と、東東京の都立の強豪の組み合わせで、4校とも実力がある超激戦区だ。
夏は八王子と延長15回引き分け再試合の末5回戦で敗れたとはいえ、エースの菊地 郁也や門脇誠、浪川 広之ら中心打者が残った創価も力はあるが、1次予選の代表決定戦で、夏4強の東亜学園と対戦する見込みだ。東亜学園には奇跡の大逆転となった準々決勝の修徳戦で3番打者だった橋本 翔琉や、9回を無失点に抑えた細野 晴希らが残る。
[page_break:帝京は安田学園、日体大荏原は都立城東と対戦か?]帝京は安田学園、日体大荏原は都立城東と対戦か?
東京を代表する好投手である松澤 海渡や、中心打者の田中 悠我、志田 太陽、それに1年生ながら二塁手の実質レギュラーとして活躍した遠藤 十壮琉らを擁する帝京は、代表決定戦まで勝ち進めば安田学園と対戦する可能性もある。安田学園にはこの夏、岩倉戦で好リリーフした左腕の清水 雅孝がおり、侮れない戦力がある。
都立雪谷を甲子園に導いた相原 健志監督の野球が浸透しつつあり、名門復活の兆しがみえる日体大荏原は、都立城東と本大会出場を争う見込みだ。城東は関根 智輝(慶応義塾大学)効果で例年より多くの部員が入り、チーム力を上げている。この対戦も注目だ。中学生までをアメリカで過ごし、抜群の野球センスを持つ日大豊山の西村 達貴は、今大会注目の内野手。初戦は1年生の夏から主戦投手の切原 侑大擁する順天と対戦し、勝てば、この夏ベスト16の錦城と対戦する見込みだ。
昨秋4強の都立日野は、やはり実績を残している都立小平が対戦。勝者は、夏はベスト16で、早実に善戦した法政大高と、近年力を付けている都立小岩の勝者と本大会進出を争うという、なかなかの激戦区だ。駒込・立教池袋、聖パウロ学園・大東一が入ったブロックも激しい戦いが予想される。その他に初戦では、世田谷学園・足立学園、城西大城西・朋優学院、都立淵江・都立江戸川、専大付・都立広なども好カード。代表決定戦での対戦が予想されるカードでは、駒大高・桐朋、岩倉・八王子実践なども注目だ。夏シード校になったメンバーが多く残る実践学園のブロックには、目黒学院、多摩大聖ヶ丘、日大桜丘など、油断できないチームが揃っている。
東京を代表する強打者の石橋 康太を擁する関東一は、大森学園が、攻守の中心選手の役割が期待される日置 航が残る日大三は、ベテラン・平岩了監督が率いる都立豊多摩が、夏は準優勝で主砲の伊東 翼や1年生捕手の木下 優成らが残る東海大高輪台は、夏は4回戦に進んだ都立武蔵村山が対抗馬と予想されるが、優位であるのは確か。身体能力に優れた好投手・坂本 大起を擁する修徳は、比較的楽なブロックに入った。しかしこの時期は、チームとしての熟成度は低いだけに、何が起きるか分からない。
昨年から本大会の出場チームが64に増えたとはいえ、秋季大会はシード校制度がないため1次予選から好カードも多い。秋季大会は、来年のセンバツ出場校を決める重要な選考資料になる大会だ。と同時に、100回大会となる、来年の夏の大会に向けての戦いの第1ラウンドであるだけに、重要である。
(文・大島 裕史)