【長野展望】長野商、松本第一、上田西が同じブロック!第1シード小諸商は準々決勝がヤマか
小諸商ナイン
第99回全国高校野球選手権長野大会(7月8日~23日・長野オリンピックスタジアムほか)の組み合わせ抽選会は6月24日に行われ、参加85校の対戦カードが決まった。ノーシードに実力校が多く、大会序盤から好カードが目白押し。春季県大会の上位8校がシードされたブロックごとに、注目校や見どころを展望する。
■第1シード校小諸商 準々決勝が最初のヤマか
強力ノーシード2校が入り、どのブロックも予断を許さない展開になりそう。
第1シード・小諸商ブロック
春の県大会を61年ぶりに制し、北信越大会でも4強に進んだ小諸商にとって比較的恵まれたブロックと言っていい。順当なら3回戦で、ともに総合力がある赤穂―長野の勝者と対戦。対抗の小ヤマには秋春連続で県大会出場し双子バッテリーが光る下伊那農、さらに中軸に力のある上田千曲が入った。ただ、小諸商の優位は揺るがない中で、小諸商はエース14492にいかに疲労を残さずにこのブロックを勝ち上がれるかが、後半戦を見据えた中でキーになりそうだ。
第8シード・伊那北ブロック(第1シードブロックと準々決勝で対戦)
最強のノーシード校、松商学園が入った。順当ならシード伊那北は初戦で松商と対戦。松商は春の県大会初戦で佐久長聖に延長の末に敗れたが、直江 大輔(2年)、青栁 真珠(3年)の2本柱は県トップクラスの豪腕。伊那北は打線がもともと強くはないだけに、エースの中嶋 夏樹が疲れのない初戦でいかに粘れるか。下手投げの馬場 律も松商打線には有効かもしれない。隣の小ヤマは名将中原 英孝監督率いる長野日本ウェルネスと、前任校でもある長野日大がいきなり初戦で対戦。反対のヤマには春東信初優勝の上田染谷丘、秋北信越出場の飯山などしぶとい公立校が固まった。
第4シード・東京都市大塩尻ブロック
力のある公立校が集まった。都市大は長野西―伊那弥生ケ丘の勝者と対戦。両校は春の地区序盤で敗退したが、投手を中心にバランスの取れたチーム。となりの長野工―野沢北も好左腕と強力打線をそれぞれ擁し、どこがきても容易でない。反対のヤマは、春中信地区優勝の松本深志が軸。140㌔を超える小林 綾、小林 絃の双子投手の攻略は簡単ではない。都市大は2年生エースの高木 唯楓を3年生投手が支え、春まで課題だった打線が奮起できるか。
第5シード・松本県ヶ丘ブロック(第4シードブロックと準々決勝で対戦)
公立勢のみのブロックとなったが、投手に不安を抱える松本県ヶ丘が抜き出た存在ではない。県大会に出場経験のあるのは昨秋の岩村田ぐらいだが、中野立志館や松本美須々ヶ丘、諏訪二葉などが対抗か。長野南には好左腕がおり、高遠は岡谷南、長野高専は長野商をこの春苦しめた実績もあるだけに侮れない。松本県ヶ丘は自慢の打線でエース窪田 寛大を援護し休ませながら勝ち上がれるのが理想的だ。
■第3シードブロック 〝非情なカード〟に
工藤陽平(上田西)
第3シードの上田西のブロックは非情な組み合わせとなった。
第2シード・東海大諏訪ブロック
強打で春県準優勝、北信越でも1勝と力をつけてきた東海大諏訪が頭一つ抜き出た組み合わせとなった。ともに昨秋県大会に出場し、初戦で対戦する下諏訪向陽―小諸のほか、中野西、飯田風越などが対抗か。それでも東海大諏訪の優位は変わらない。東海はエース格となった2年生の宮本 龍成を余裕を持って使い、2枚目以降の投手を確立しておきたい。
第7シード・篠ノ井ロック(第2シードブロックと準々決勝で対戦)
開幕戦の創造学園―長野俊英のほか、地球環境と私立3校が入った。3年生にタレントの多い創造学園が総合力では一歩リードか。ほかに昨秋県大会出場の田川、さらに松川と飯田の下伊那勢などもバランスの取れたチーム。篠ノ井はエース格の唐澤 公志(2年)はじめタイプの異なる3投手をうまく使い分けしていければ、十分に勝ち抜くチャンスはある。
第3シード・上田西ブロック
とんでもないブロックとなった。ノーシードの強豪、長野商(春北信1位)と松本第一がいきない初戦で激突。これに勝つと次戦は上田西の可能が高い。強豪3校は初戦からアクセル全開で戦わないといけなくなった。エース温存などできない状況が続く。反対のヤマは春に県大会出場の長野吉田が勝ち上がる公算が高い。上田西は豊富な投手陣がここで生きるが、対戦校の好投手をどれだけ攻略できるか。
第6シード・佐久長聖ブロック(第3シードブロックと準々決勝で対戦)
連覇を狙う佐久長聖にとってはまずまずの組み合わせとなった。松本工は本格右腕筒井 恒匡を擁するが、打線がどれだけ援護できるか。反対の小ヤマではいきなり岡谷南―更級農の好カード。さらに秋春連続県大会出場の長野東、県には出ていないが投打に力のある飯田OIDE長姫と公立の実力校がそろった。佐久長聖はエース塩澤 太規はじめ投手陣が安定し、課題の打撃も上向いて死角は少ない。
シードを取るべき実力校が取り逃した影響もあり、すでに組み合わせの時点でドラマが生まれたこの夏の大会。過去5年間、佐久長聖と上田西が交互に夏を制してきたが、順番通りなど今年は上田西。その法則を上田西は死守できるか、はたまたストップをかけるチームが現れるのか。大会序盤から目が離せない戦いが続く。
(文:小池 剛)