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【茨城展望】Aシード4校を追う実力校は?隠れた逸材を見逃すな!

2017.06.30

 101校98チームで組合せ抽選が行われた。今大会からシード校が16校に増やされた。シード順は以下のとおり。

A 明秀学園日立、霞ヶ浦土浦湖北石岡一
B 常磐大高下館一水城総和工
C 波崎柳川下妻一取手二、水戸癸陵
D 水戸桜ノ牧つくば秀英常総学院水戸工

 それでは各ゾーンの注目チームや選手を紹介していきたい。なお、春にベスト8になったチームについては前回のコラムで触れたのでここでは割愛する。

優勝候補筆頭の明秀学園日立を下館一などが追う

 明秀学園日立ゾーンにはB下館一、C波崎柳川、D水戸工が入った。水戸工は最速135キロの主戦右腕・戸井田浩睦が怪我から完全復帰して投手力が充実している。土浦一西山慧堀内真ともに130キロ超えのストレートで右腕2枚に安定感がある。

 対する土浦三は春季関東大会に出場した土浦湖北と地区代表決定戦で互角の戦いをした。4番兼エース左腕の中口侑大は長身から角度のあるボールを放る。竜ヶ崎一vs東風は1回戦屈指の好カード。最速140キロ中盤を誇る東風のエース右腕・佐賀史宗高橋基成道山裕太など好打者揃いの竜ヶ崎一打線が対峙する。

 春に取手松陽に投げ勝った好投手・網野隼率いる牛久小菅康太(2年)や右スリークオーター・富田卓ら下級生に力のある土浦日大もこのゾーンに入った。春の県大会では常総学院エース・柴山尚輝から豪快にホームランを放った水海道一の4番・岸本吏功は通算31本塁打を誇る強打者なので是非チェックしておきたい。

霞ヶ浦包囲網の激戦ゾーン

北山 大毅(つくば秀英)

 続いて霞ヶ浦ゾーンのシードにはB常磐大高、C下妻一、Dつくば秀英が入った。ここはシード入りを逃した有力校が多数入り最も激戦が予想されるゾーンとなった。下妻一は右腕・谷口直哉が主戦。春は四死球とバッテリーエラーで霞ヶ浦に逆転負けを喫したつくば秀英だが、奇しくも霞ヶ浦ゾーンに入った。エース左腕・北山大毅は最速141キロを誇るプロ注目投手の一人だ。

 取手松陽のエース右腕・古田島成龍は県内最速の146キロを誇る剛腕だ。常時140キロを超える馬力のあるストレートは一見の価値がある。取手一の右腕・田中裕人も最速140キロを超え4番打者としても優れる。また、1番ショートの大坪恭輔は高校通算38本塁打で県内最多本塁打数を誇るスラッガーだ。是非公式戦で柵越えを拝ませて欲しい。

 鹿島学園は春に出場していないが6月の練習試合で全国区の強豪校と互角に渡り合った不気味な存在。エース・楊笑虎とスラッガー・内村海斗に加え、強力な新戦力が中軸を担う。

 鉾田一は下級生時から4番を務める鬼沢龍平に注目。エース右腕・額賀裕己は鋭く曲がるスライダーを武器とする。日立一は切り込み隊長の島剛輝が思い切りの良い打撃と闘争心をかき立てる声で相手を圧倒し、器用な清水大海(2年)が状況に応じた打撃で得点に結びつける。

[page_break:土浦湖北が守り勝てるか!水戸地区の有力校がずらり]

土浦湖北が守り勝てるか!水戸地区の有力校がずらり

征矢 隼輔(水城)

 土浦湖北ゾーンのシードにはB水城、C水戸癸陵、D水戸桜ノ牧が入った。水城は右腕・征矢隼輔がチェンジアップを巧みに操る。ショートの樫村昌樹の守備は絶品だ。水戸癸陵は右アンダースローの上林賢士郎がシンカーを駆使して打者を翻弄する。水戸桜ノ牧は強打の捕手・深谷和磨に注目したい。水戸商小林俊輔(2年)の打撃が鍵となる。

 下館工vs江戸川学園は直近4年間で3度目の顔合わせでほぼ毎年のように対戦している因縁めいたカードだ。過去2度は下館工が勝利しているが果たして今年はどうか。下妻二は左腕の中澤圭介と右腕の齋藤雄基のダブルエースが健在。捕手の山中貢博がチームの精神的支柱を担う。

 茨城麻生の右腕・大川翔隆海洋の左腕・石川舜士はストレートのキレがあり大崩れしない。また、日立北は右腕・安部由宇雅と右サイド・大友隆代の継投で試合を作る。このヤマには公立らしいキレ勝負の好投手を擁す3校が揃った。つくば国際は135キロを超える右腕・金子朔丸と左腕・福島脩馬の2枚看板を擁し投手力が高い。

石岡一ゾーンに下位シードの常総学院が入る!

 最後に石岡一ゾーンのシードにはB総和工、C取手二、D常総学院が入った。常総学院は1年生の菊田拡和菊地壮太がスタメン起用されるようになり打線の厚みが増し、捕手争いも熾烈を極めている。取手二はエースで4番の香取正樹が130キロ中盤のストレートで力勝負する。

 沼田敬介川津祐太朗の大砲が二人いる佐和は打力の高いチームだ。鹿島荒原智哉はシュアな打撃が売りのミドルヒッターだ。藤代には河原井卓谷合俊亮(2年)といった強打者が揃う。


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今年も全国各校の熱い想いを紹介!「僕らの熱い夏2017」

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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