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【栃木展望】7連覇を狙う作新学院!今年こそストップさせる高校は現れるのか?

2017.07.06

 昨夏、作新学院は栃木大会史上初の6連覇を達成。勢いそのままに、甲子園でも頂点に立った。作新学院の連続出場はいつまで続くのか。それとも、今年こそ作新学院をストップさせる高校が現れるのだろうか?

7連覇を目指す作新学院は初戦で強豪と激突

添田 真聖(作新学院)

 優勝候補筆頭は作新学院だ。前人未到の夏7連覇を目指す王者は、昨チームほど個々の能力は高くないものの、試合巧者ぶりは健在だ。センバツ後も、ポジション変更や打順を組み替え、層に厚みが出た。
全国制覇を経験した俊足巧打の二塁手・添田 真聖鈴木 萌斗は走攻守3拍子揃っており、主砲の中島 淳やパンチ力がある相原 光星、春からレギュラーを獲得し、小柄ながら打撃も良い石戸 智也や昨秋の栃木大会の首位打者・七井 祐吏など、好打者が多く揃う。添田と七井に関しては2つ上に兄(添田 真海七井 康介)がおり、兄弟揃って夏の甲子園出場となるかということにも注目だ。
エース・大関 秀太郎は、制球力抜群の投球が持ち味。今春の栃木大会では登板はなかったものの、センバツ・今春の関東大会で好投するなど、格段にレベルアップを果たした。また背番号10の篠原 聖弥が、春に急成長。ほぼ1人で栃木大会は投げぬき、関東大会でも好投を見せた。大関だけであった昨秋に比べ、2枚に増えたことは作新学院にとっては大きく、他チームからすれば脅威だ。非常に層が厚く、控え選手のレベルが高い作新学院が頭一つ抜けている。

 その作新学院の初戦の相手は、宇都宮工だ。今春2回戦でも対決しており、宇都宮工にとってはリベンジが掛かる。昨チームのレギュラー8人が残り、個々の能力が高い宇都宮工は、今春の栃木大会優秀選手にも選ばれた山崎晃太が中心。1年夏から出場している藤本凌や強肩強打の捕手・阿部 鷹平、守備の良い主将の上澤
亮太
などが野手陣をけん引する。投手陣はやや不安が残るものの、鈴木 智也中村 将斗の両右腕が相手打線に立ち向かう。1回戦注目の好カードはどちらが勝利するのだろうか。

 このブロックにいる春ベスト8のシード矢板中央にも注目だ。3番・徳永 泰河、4番・田鎖 颯を中心に強打が持ち味だ。春は打撃戦の末、佐野日大に敗れはしたものの、上位進出する力は十分に秘めている。他にも、実力のある公立校・宇都宮南小山南などがこのブロックにひしめく。

春王者・白鷗大足利ブロックはどうなる?

 第1シードには春王者の白鴎大足利が入った。春決勝で、センバツ帰りの作新学院と対戦し5対0で完勝。「ストップ・ザ・作新」の対抗馬に一躍躍り出た。
 チームの中心はエースで4番の北浦 竜次。プロも注目する本格派左腕は、MAX145キロの速球・切れ味鋭いスライダーを武器に打者に立ち向かう。打っても、今春は2本の特大本塁打を放つなどして絶対的な存在感を見せつける。投手としては、仁見 颯人が成長。春の栃木大会では、決勝で作新学院打線を被安打5でシャットアウト。北浦との2枚看板で、対戦校を抑えていく。
 打者陣は、1年夏からレギュラーとして打線をけん引する、大砲・秋 智也や、益子 太壱などの強打者をはじめ、多く揃っており、破壊力抜群だ。また小技が上手い打者も兼ね備えており、打線に切れ目がない。その白鴎大足利は、初戦で宇都宮短大附と対戦する。

 その宇都宮短大附は、近年力をつけてきている実力校である。昨夏に1年生ながら、好投を見せた福田 翔は140キロ近い速球を投げ込む2年生右腕。福田以外にも、昨夏を経験した選手が多くおり、今春覇者に立ち向かう一戦は非常に注目だ。

 このブロックで最も不気味な存在なのがノーシードの文星芸大附だ。ここまで結果としては表れていないものの、個々の能力は申し分ない。昨チームからのレギュラーで、攻守に渡って活躍する伊藤 健太や、強打の三塁手・葭葉 幸二郎、昨夏全国制覇を果たした作新学院の5番打者・藤野 佑介の弟・藤野 孝介も打撃が良い。
また福士 智計などの好選手が揃っているシードの栃木工もこのブロックに入っており、どこが勝ち上がるのか、注目が集まる。

[page_break:左下ブロックは佐野日大が一歩抜け出す]

左下ブロックは佐野日大が一歩抜け出す

石川 翔(青藍泰斗)

 このブロックで一歩抜け出すのは、佐野日大だ。昨秋は振るわなかったものの、今春はベスト4進出を果たした。今春からこれまで佐野日大を率いてきた松本 弘司監督から、教え子であり元プロの麦倉 洋一監督が就任。夏大初采配にも注目が集まる。1年夏からレギュラーとして投打で活躍が期待される中山 貴史や技巧派左腕・君島 翔、大型右腕・原田 大樹など、力のある選手が多く揃う。2010年以来の夏甲子園へ勝ち進みたいところだ。

 春ベスト8入りを果たしシードで挑む小山や昨秋ベスト8の真岡などの公立校は力があり、上位進出を狙っている。好投手・大森 拓郎がいる矢板東も面白い存在である。また、このブロックに2年連続夏決勝進出中でありながらノーシードで挑む國學院栃木も存在する。今春は地区予選敗退を喫するなど、チームとしての結果が出ていないものの、昨チームからの主力、好打者・橋本 一真など力のある選手がいるだけに、怖い存在だ。

宇都宮・石橋がシードのブロックは混戦が予想される

 昨秋準優勝で関東大会に出場した石橋は、今春もベスト4入りをしており、実力校として注目が集まる。エース・竹内 海斗は安定感抜群で、制球力が良く凡打の山を築く。竹内の出来がチームの勝敗を握っているといっても過言ではないだろう。野手は、好打者で守備も良い、主将の入江 太一、主砲・前原 正義が中心で、2人の前に走者を溜めたいところだ。もう1つのシード校・宇都宮は突出した選手はいないものの、秋春ともにベスト8入りを果たしている。

 その他にも、プロ注目の149キロ右腕・石川 翔擁する青藍泰斗は非常に力があり、上位進出を伺ってる。石川は故障が続いていたが、ようやく復調。万全の調子で夏に臨む。中山 誠吾須藤 悠真など、下級生時から出場していた選手がおり、ノーシードからの甲子園出場を狙う。1年春からレギュラーの添田 凌生、強打の篠原 佑宇、攻守ともにハイセンスの伴 竜二などがいる伝統校・宇都宮商も力があり、好打者・若林 裕弥がいる足利工大附山口 悠大などの昨チームのレギュラーが多く残る真岡工も怖い存在だ。

 大会は7月7日に開幕。開会式は[stadium]栃木県営球場[/stadium]で行われ、開幕カードは足利足利工の足利勢対決となっている。作新学院が前人未到の7連覇を達成するのか。それとも、白鷗大足利佐野日大などの私立校・石橋宇都宮などの公立校が行く手を阻むのか。目が離せない。


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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