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【春季大阪大会展望】選抜優勝の大阪桐蔭、準優勝の履正社もノーシードから!各ブロックの見どころを徹底解説!

2017.04.04

 全国で唯一、ノーシード制を続ける大阪。その理由は公平を期するためだ。夏の大会では毎年、序盤から強豪同士の潰し合いが取り上げられるが、それはもちろん春においても例外ではない。そして今年は特にその傾向が強い。選抜優勝の大阪桐蔭、選抜準優勝の履正社も初戦から登場する。

選抜優勝の大阪桐蔭、準優勝の履正社もノーシードから!各ブロックの見どころを徹底解説!

【Aブロック】履正社は昨秋ベスト8の今宮と対戦!

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安田 尚憲(履正社)

 まず目につく初戦の好カードは東海大仰星と汎愛の対戦。強豪私学の一角と昨秋ベスト16で公立随一の実力校がいきなり顔を合わせる。順当に行けば勝者が4回戦で金光大阪と戦うことになりそう。

 昨秋の神宮を制し、選抜でも強さを見せつけた履正社は注目のスラッガー安田 尚憲(3年)、4番・若林 将平(3年)が打線の中心に座り、このコンビの破壊力は全国屈指。特に安田は強打はもちろんのこと四死球数が試合数を上回る。簡単には勝負すらしてもらえない強打者だ。初戦の相手は今宮。こちらも汎愛に匹敵する好チームで、公立校ながら昨秋ベスト8入りを果たし大阪府の21世紀枠候補に選ばれた。ただ昨秋は上宮に5回コールド負けを喫しており、強豪私学相手にどこまで喰らいつけるか、冬の成果が試される一戦になる。

 上記に挙げた中で勝ち上がったチームと準決勝進出を懸けてぶつかりそうなのが近大附。中学時代にU-15代表に選ばれた左腕・大石 晨慈(2年)と1年夏からベンチ入りした保坂 大河(3年)のバッテリーは注目だ。まだ大きなインパクトを残すことは出来ていないが、実力十分。もし履正社と対戦し破ることがあれば一気に名を上げるだろう。

【Bブロック】大阪桐蔭はどんな戦い方を見せるのか?

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徳山 壮磨 (大阪桐蔭)

 このブロックの初戦の好カードは関大北陽vs都島工昨夏大阪桐蔭を下した関大北陽は内野に旧チームからのレギュラーが残る。都島工は公立校を強豪に育てる福原 和行監督の指導の下、着実に力をつけている。好勝負に期待出来そうだ。

 部員数の多い阪南大高はベンチ争い、レギュラー争いが夏でも大会直前まで熾烈。春は多くの選手を試せる期間でもあるだけに、初戦の大阪星光学院戦からしっかりした野球を展開したい。

 Bブロック突破の最有力候補は大阪桐蔭。エース・徳山 壮磨(3年)を柱に香川 麗爾(3年)や11123(3年)を擁する投手陣の駒は豊富。また、春はエースのコンディションが万全でないと下級生投手に経験を積ませながら、それでも勝ち上がる層の厚さが強み。2年生にも攻守にセンス抜群の根尾昂、好左腕の横川 凱らエース候補がおり不安は無い。野手陣も三遊間へのゴロは全て内野安打とも思える俊足の持ち主、藤原 恭大(2年)を核弾頭に、長打力のある山本 ダンテ武蔵(3年)ら上位から下位まで切れ目が無い。負傷で選抜のメンバーからも外れた正捕手・岩本 久重(3年)の回復具合だけは気がかり。

 順当に行けば4回戦で関大北陽vs都島工の勝者、5回戦で大阪偕星学園との対戦が予想され、気の抜けない戦いが続きそうだ。

[page_break:C・Dブロックの見所を紹介]

【Cブロック】関大一vs初芝立命館の一戦に注目!

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中林 怜(初芝立命館)

 Cブロックでも関大一vs初芝立命館といきなりの強豪対決が初戦で実現。関大一は昨年、春、夏、秋全て初戦敗退というまさかの1年を過ごしてしまった。その悔しさをぶつける1年としたい。昨秋ベスト4初芝立命館はエース・中林 怜(3年)が大黒柱。昨秋は近畿大会出場を懸けた上宮太子戦、大阪桐蔭戦で先発したがチームを勝利に導けず。最終学年の今年、ここ一番で勝ち切るピッチングが出来るか。

 他にも大体大浪商関西創価、大産大附、東大阪大柏原と打倒2強を目指す有力校がズラリ。本命不在の混沌としたブロックだ。

【Dブロック】秋優勝の上宮太子がトップ 追う北野、大商大堺

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森田 輝(上宮太子)

 昨秋の大阪を制した上宮太子は比較的組み合わせに恵まれた。公立校の多いゾーンに入り、展開によってはいろいろな選手を試す機会がありそうだ。エースとしてチームを支える森田 輝(3年)は、丁寧に低めを突くコントロールとキレのいいスライダーで”組み立て”が出来るタイプで大崩れしないのが強み。昨秋の新チーム初戦の先発マウンドを任された丸岡 竜一(3年)は、2種類のスライダーを武器とし、ブレーキのよく効いた軌道はハマればおもしろい。夏へ向けて森田に次ぐ投手という意味ではチームの命運を左右する存在だ。春に経験を積み、いい状態で夏を迎えたい。

 高い進学実績を誇る北野も注目校の一つ。昨春は打撃力を武器に4回戦まで勝ち上がり、昨秋は好左腕・牧野 斗威(3年)がチームを引っ張ってベスト8入りを果たした。

 大阪商大堺、昨秋ベスト16の浪速なども準決勝進出を狙う。

(文=小中 翔太

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2017年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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