【沖縄展望】秋の沖縄をリードする学校は?群雄割拠の沖縄 いよいよ幕開け!
左から 河野 哲平(沖縄尚学)、比嘉 花道(嘉手納)
来春の全国選抜高校野球大会への第1歩目となる秋季大会が10日に開幕する沖縄県。今回の秋の陣はどの高校がリードしていくのだろうか!?去った新人中央大会の結果を交えながら展望を述べてみたいと思う。
■組みわせ表も合わせてチェック!!
過去5年間のシード校の成績
まずは2011年から昨年までの過去5年間の秋季大会において、新人中央大会のベスト4即ち秋季大会シード校の成績を振り返ってみよう。
初戦敗退したのは2013年の糸満、2014年の沖縄尚学、2015年の浦添商と3年連続となっている。そこから見るとシード校とはいえ楽観視は出来ないが、それ以外の延べ16校は初戦突破してもいる。勝率に直すと.842だ。(2011年の第1シード沖縄尚学は不出場となったためここでは除外している)
さらに、昨年の決勝が第1シードの八重山と第2シードの興南となったように、常に上位にくるのもシード校だ。同じくこの5年間で、シード校の優勝が2度、準優勝が3度、ベスト4も4度ある。約半年間も期間が空く春季大会と違い、新人中央大会から一ヶ月しか経たない秋季大会では、やはりシード校もしくは新人中央大会出場校が中心となっていく図式が大きいと思う。それでは各ブロック毎に展望を見ていこう。
美来工科と名護が再激突するか!?
山内 慧 (美来工科)
新人中央大会初優勝の美来工科がシードのAブロック。新人中央大会の4試合で29得点を挙げた強力な打線は昨年の八重山(同4試合25得点)にも勝る。投手陣は右オーバーハンドの山内慧と右アンダーハンドの比嘉太陽と、タイプの違う2枚がおり不安も少なく美来工科が勝ち上がる公算が大きい。そんな美来工科の対抗馬が名護となりそう。新人中央大会準々決勝でぶつかった両者は、9回裏二死(三塁)まで名護がリードしていた。しかしそこから四球、内野安打、タイムリーと美来工科がサヨナラ勝ちを収めているものの、リベンジに燃える名護は美来工科にとっても怖い存在だろう。
対抗2番手はKBC学園未来沖縄。1年生だけで臨んだ昨年の夏から、秋、一年生大会、春、夏と舞台を踏んできた。新人中央大会の出場こそ逃したものの、その経験値は大きい。
新人中央大会初出場で初勝利を収めた宮古総合実と、高校工業野球大会で自信を掴んだ沖縄工の試合も見もの。ここで波に乗れば未来沖縄を倒すことも十分可能だ。
好カード!糸満vs美里工
新人中央大会4位の宜野座がシード。去った夏の選手権ベスト4の那覇西が相手となるが、殆どが3年生だったこともあり新チームは未知数。ここはやはり宜野座が有利だろう。その隣に昨年秋の4強である那覇商と浦添が入った。さらに1回戦好カードの1つとなるのが糸満vs美里工。この5校の内のどちらかが勝ち上がる公算が大きいだろう。
その対抗馬が那覇か。新人中央大会では宮古総実に逆転負けを喫したものの、投打のバランスは悪くない。しかし、その那覇の対戦相手である具志川も評判が良い。前原ー普天間の戦いにも注目。沖縄宮古、北山も力はある。
本命!沖縄尚学
ここ2年間、初戦敗退を喫している名門沖縄尚学。だからこそ、この秋に懸ける思いは並々ならぬものがある。新人中央大会の決勝戦、僅か1点差敗退だったものの、選手と指導陣の中には危機感すら見えた。中学のスターが集結し、一年生中央大会で優勝したメンバーだけに一人一人が持つ力は他校を圧倒する。間違いなくこの秋の大本命となろう。
新人中央大会出場組の宜野湾と去った夏のメンバーが残る本部は、油断ならない与勝とコザが相手。4校ともに、この山をただ勝ち上がるのではなく勢いを増して3回戦に挑戦したいところだ。
反対側からは、好カードの浦添商ー沖縄水産を含む読谷、知念、名護商工が有力だ。
悲願の甲子園を目指す八重山
平良 海馬 (八重山商工)
二連覇が懸かる八重山。昨年のチームから残る川満と東盛が中軸となりチームを率いる。新人中央大会の準決勝で美来工科に大きく引き離されたものの、3位決定戦はしっかり勝利へと結びつけた。昨年九州大会ベスト8まで勝ち上がった自信を思い切りぶつければ、悲願の[stadium]甲子園[/stadium]出場は十分可能だ。
ここに昨年の決勝でぶつかった興南が入った。一年生中央大会準優勝の興南だったが、新人中央大会では名護の打線に投手陣が打ち込まれ敗退。名将我喜屋 優監督(関連記事)の調整手腕にも注目が集まる。その興南の相手である西原と一昨年の秋の王者中部商。この3校のうちのどちらかが八重山の対抗1番手となるだろう。
対抗2番手となる反対側は、沖縄石川vs小禄、八重山商工vs嘉手納と好カードが2試合も組まれた上に、新人中央大会出場組の豊見城と首里が入った。この6校のうち、どちらが勝ち上がってくるのか想像もつかない。サッカーで言う「死の組」がこのDブロックだ。
(文=當山 雅通)
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