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いきなり宇治山田商vs菰野の対決が実現!激戦必至の三重を制する学校を大胆予想!【三重抽選会後 展望】

2016.07.14

 春の地区予選~県大会にかけて例年にないほど有力校の主力選手に故障者が多かったが、夏が近づくにつれそれらの選手の大半が復帰し活躍、チームに勢いが戻った有力校が多い。その反面、順風満帆と思えた有力校にやや陰りが見えるなど、勢力図が塗り替えられそうな三重大会の展望をゾーン別に見ていきたい。

■こちらも合わせてチェック!
【北部は選抜出場のいなべ総合、津田学園など強豪がひしめく】
【優勝候補・三重のカギを握る選手は?南部は宇治山田商など好投手が多数集結!】

■組み合わせ表は以下から

【第98回三重大会組み合わせ表】

A~Cゾーンの見どころ

【Aゾーン】第1シード:いなべ総合学園

江川 雄人(津商)

 今春のセンバツを経験し、投打に層の厚いいなべ総合がリード。いなべ総合は、1回戦を戦わずして済むのが吉と出るか凶と出るか。投手陣の疲労を考慮すれば試合をせずに済むのは吉だが、初戦に勝利し勢いにのる相手との試合の入り方には神経を使う事だろう。四日市西が対戦相手と予想するが、先制を許すと技巧派投手の外岡 勇磨の術中に嵌ってしまい、大番狂わせの可能性もある。

 いなべ総合尾崎 英也監督「一発ホームランで嫌な試合の流れを変えられる打者が居ないのが悩み」という。どこからでも点が取れ、繋がりでは県下ナンバーワンの打線で贅沢な悩みだと思うが、逆に言えば対戦相手は一発長打を欲しがる展開に持ち込みたい。好投手を擁する亀山伊勢工上野などにも注目。

【Bゾーン】第4シード:海星

 秋季県大会優勝の海星昨夏の覇者津商が有力だろう。海星は打って走っての機動破壊を目指す。さらににエース長田 悠吾・1年生の大型左腕・大須賀 健祐を加え投打に厚みが増した。津商江川 雄人松葉 叶など昨夏の甲子園経験者が多く残り、また2年生右腕の池内瞭馬にも期待。

 昨夏4強の四日市工昨秋8強の白子が初戦で激突する他、投打に中心の山根 信治擁する伊賀白鳳、4年ぶりの甲子園を目指す松阪などが集まる。

【Cゾーン】第2シード:津田学園

 有力校がひしめく最激戦ゾーン。宇治山田商宮原 大樹菰野の左腕・村上 健真岡林 飛翔と互いに2年生の好投手を揃え得点力もある両チームが初戦で激突、1回戦屈指の好カードとなった。この2校のいずれかの勝者は、春季県大会準優勝津田学園vs名張の勝者と2回戦で激突。この他に春以降チーム本塁打が60本を越える松阪商、春4強の近大高専伊勢、好投手宮田 紘輔と通算本塁打30本に迫る石垣嘉起と投打の柱がしっかりし、年間130試合以上をこなし経験値豊富な桑名北や、昨秋の1年生大会地区予選で菰野海星を押しのけ県大会に駒を進めた四日市南などが虎視眈々と上進出を狙う。

⇒次のページ:Dゾーン・そして三重大会を予想!

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Dゾーン・そして三重大会を予想!

斉藤 隼大(三重)

【Dゾーン】第3シード:三重高

 投打に層の厚い三重が頭一つ抜け出しており順調に勝ち上がれるとは思うが、母校三重高に勝sぽれって恩返しがしたい高倉監督率いる皇學館春の県大会8強で選手層の厚い桑名工相可今春選抜大会21世紀枠推薦校にも選ばれた宇治山田津西といった実力校が揃い、どのチームも侮れない。

【強豪校ばかりが高校野球じゃない】

 甲子園を狙えるほどの力は無いが、ひたむきに白球を追うチームを1校紹介したい。それは四日市農芸だ。昨秋地区予選は部員不足で参加できず、春の地区予選は部員7名にラグビー部から2名の助っ人を借りようやく地区予選に出場が叶った。このラグビー部員も1名はまったくの素人であり、果たしてどこまでやれるのか疑問視する声もあったが、蓋を開けてみると、チーム一丸となったプレーは大会関係者の感動を呼び、地区予選敗退が決まった翌日は大会関係者が、久しぶりに高校野球らしい野球を見せて貰いました。これが野球の原点、いい勉強になりました、と口々に語る程。

 監督の下村 尚さんは高校・大学と捕手で活躍し、皇學館高校時代には台湾遠征の三重県選抜チームで現在ジャイアンツ・当時海星高校の高木 勇人投手とバッテリーを組んでいた事もあり、捕手の育成には評価が高い。その下村監督「秋は選手達に可哀想な事をしたので春はどうしても地区予選に出たくてラグビー部にお願いしました。3年生の為に1日でも長い夏にしたい」下村監督の人柄・情熱に惚れ込んだ関東地方の有力校のコーチが、事あるごとに指導の手助けや練習試合の紹介をされてみえる。今後どれだけチームが成長して行くか、南伊勢戦に注目したい。

【ベスト4、そして優勝は】

 ここまでは抽選前展望前編を担当したA、と後編を担当したBの2人でまとめて参りましたが、最後は個別に予想したい。

A:準決勝の組み合せは、いなべ総合海星菰野三重だと思います。決勝は海星菰野の北勢対決となり、正式入学前から2年後のキャプテンですと植木副部長が断言していた通りキャプテンとなった坂井 慎平率いる海星が18年ぶりに王座奪還を果たすのではないかと見ています。

B:準決勝は、いなべ総合海星宇治山田商三重。選手層の厚い三重が優勝と見ます。

 とても濃い三重県情報ありがとうございました。いよいよ三重大会は開幕。今年も激戦になることを期待しています。


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第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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