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巨大戦力・秀岳館に負けじと成長!下剋上を誓う強豪たち【熊本抽選会後 展望】

2016.07.05

 4月に起こった大地震により、多くの被害を受けた熊本県。熊本県のメインスタジアムである[stadium]藤崎台球場[/stadium]も大きな被害を受けた。それでも10日の開幕から決勝までの期間、[stadium]藤崎台球場[/stadium]を使用できるまでに復旧したのは喜ばしいことである。今夏の熊本大会の見所を紹介していきたい。

■組み合わせ表は以下から

【第98回熊本大会組み合わせ表】

秀岳館が有力も、熊本工、濟々黌など古豪の戦いぶりに注目

九鬼 隆平(秀岳館)

 選抜4強入りした秀岳館。選手層の厚さは全国的にもトップクラスだ。投手陣では有村大誠を中心に、135キロ以上の速球を投げられる投手が多く揃い、野手ではプロ注目の正捕手・九鬼隆平関連記事、巧打者・木本凌雅など打てて守れる野手も揃う。2014年4月に就任した鍛治舎 巧監督の徹底した指導により最強チームが形成されている。

 相手チームの研究を怠らないなど、勝つために最大限の努力をする秀岳館。熊本県では久しぶりに全国制覇できる可能性を持ったチームで、ここを破るチームは、相当な実力がなければならないだろう。だが今年の熊本は秀岳館に負けまいと実力を伸ばしてきた学校が多い。

 初戦の相手は熊本西と熊本大津の勝者。熊本西には右の本格派・堺 拓也がいる。また同ブロックの強豪といえば初戦で熊本学園大付と対戦する濟々黌だろう。2年生スラッガー・甲斐 雄也がいる。九州地区予選では初戦敗退したが、夏へ向けて浮上するチームに違いない。隣の山を見ると、強肩強打の捕手・内村 僚がチームを引っ張る有明と135キロ前後の速球とキレのあるスライダーを武器にする森 琢真擁する八代東との対決は必見だ。そしてこの勝者は、熊本工荒尾・南関・岱志との勝者と対戦する。

 伝統校・熊本工も名門校復活をかけて今年は何としても結果を残したい夏。20年前の1996年には甲子園決勝に勝ち進んだ同校。節目の年だけにこの流れを大事にしたいところ。走攻守三拍子揃った遊撃手・溝越 圭太、140キロ右腕・山口 翔(2年)と好素材が揃っている。

 隣のブロックでは、文徳2014年夏の甲子園出場の熊本城北といった強豪校の戦いぶりに注目だ。

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[page_break:九州学院は打ち勝つ野球を そして序盤から強豪校同士の対戦が実現]

九州学院は打ち勝つ野球を そして序盤から強豪校同士の対戦が実現

村上 宗隆 (九州学院)

 逆のゾーンを見ると、強豪校のつぶし合いが早くも実現しそうだ。昨年からの経験者も多い専大玉名は右の本格派・池田 照之擁する開新と対戦。この試合の勝者は多良木と熊本小国の勝者と対戦。多良木岩本 浩朗岡本 祥希の2人の強打者が中心。今年も自慢の打線で勝ち上がる。同ブロックには好打の外野手・中島 彰之(2年)などつなぎの野球で勝負のルーテル学院、今年の熊本を代表する強打者・上田 将暉、好投手・大竹 泰志など好選手を揃える東海大星翔も面白い。

 さらには甲佐と対戦する鎮西はスラッガー・竹村 彰太が最終学年を迎えた。投打で戦力を整備し、夏に臨みたい。その勝者は千原台玉名工の勝者と対戦。千原台は好投手・住野 賢枝、長打力のある高倉 絹汰など大型選手を揃える。

 隣のブロックを見ると、好打者・山戸 直樹がチームを引っ張る熊本国府玉名と対戦。その勝者は九州学院八代の勝者と対戦する。2年連続の夏の甲子園を狙う九州学院は、攻撃力ならば県内トップクラス。1年生の時から活躍を見せていた松下 且興、捕手へ転向し、攻守ともにスケールアップしている村上宗隆(2年)と野手の能力値の高さは確かなものがある。ただ軸となる投手が不在で、今年は打ち勝つ野球が求められそうだ。同ブロックには大型外野手で投手も務める小材 龍輝が軸となる必由館も注目だ。

 地震に負けんばい!の気持ちで、夏へ向かってきた選手達。九州地区予選以降、招待試合、公式戦が中止となり、まさにぶっつけ本番で夏に臨むことになる。そこで力を発揮するには、今までの取り組みの成果を信じるしかない。

(文・河嶋 宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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