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【長崎 抽選後 展望】長崎日大、長崎海星の私学2強に割り込んだ大村工!今夏注目の逸材たちは?

2016.06.22

 今年の長崎はNHK杯と優勝校が変わっており、また実力校が多く、混戦が予想される大会となりそうだ。混戦模様の長崎を制す学校はどこになるのか?今年の注目校、注目チームを紹介していきたい。

■長崎大会組み合わせ表は以下から
第98回長崎大会組み合わせ表

県内3強と目される長崎海星、大村工、長崎日大の魅力は?

白石 翔樹(大村工)

 やはり注目は選抜ベスト8の長崎海星である。打者では好打者・服部貫大、長打力ある永石 拓武など長打力ある選手が揃っているのが魅力だ。課題は投手陣。左腕・春田 剛志、右腕・土谷 一志、成長中の2年生右腕・飯田 大翔などがいるものの、まだ盤石とはいえない。春夏連続出場を目指すには投手陣の底上げが課題になりそうだ。

 そんな長崎海星は選手権出場経験のある佐世保実業と長崎西陵の勝者と対戦する。また同ブロックにはシードで昨夏甲子園出場の強豪・創成館がいる。エース・横﨑裕哉大久保雄大のバッテリーが中心となっているが、昨年から経験者の好打者・中島 巧喜の存在にも注目だ。

 続いて大村工ブロックを見ていきたい。九州地区予選優勝の大村工髙比良 俊作監督の下、強打のチームへ成長。1日1.8リットルのお米を食べる食トレ、走り込みなど下半身強化を中心としたトレーニングで選手達は分厚い下半身を手に入れた。また地面に平行ではなく、ボールの軌道に対して平行な「レベルスイング」を全選手が徹底したことで長打を量産。また「一発を打てない選手は使わないよ」と髙比良監督が発破をかけたことも、打撃開眼につながっている。

 主力選手を紹介すると、強肩強打、さらに確実性のあるバットコントロール、速球投手に振り負けしない目の良さで長崎県屈指の捕手へ成長した白石 翔樹、トップバッターながら分厚い太ももから強打を連発する城田 錬の2人が打線の中心。投手では最速138キロ右腕・松尾 心太郎の投球がカギとなりそうだ。県内で見ても、パワーならば県内一で、長崎日大、長崎海星にはない強みがある。

 髙比良監督が全国クラスの強豪となったバレー部の指導者に言われた「先生、全国に行くには奇策は通用しないよ。王道のみだよ」の言葉を胸に刻み、確固たる土台を築き上げた大村工野球が夏の頂点を勝ち取ることができるか注目したい。

 また同ブロックには九州大会ベスト4長崎日大がいる。130キロ台のストレートだがキレがあり、どんどん押していきながら、かわすピッチングもできる馬場 健一郎、巧打の一塁手・田嶋 大聖、俊足巧打のセンター・田中 遊太郎、攻守の中心・樋口 祐作と投打ともに総合力が高く、後半から盛り返す試合運びの上手さは他校からすれば怖いチームなのは間違いない。

 そんな長崎日大の初戦の相手は五島vs九州文化学園の勝者と対戦。九州文化学園NHK杯大村工に6対5で勝利しており、もし九州文化学園が勝ち上がるとなれば、かなり厳しい戦いになりそうだ。

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[page_break:長崎総科大附・清峰ブロック、波佐見・長崎商ブロックの注目は]

長崎総科大附・清峰ブロックの注目は、長崎西、瓊浦

東山 輝星(長崎総科大附)

 秋季九州大会出場、春の九州地区予選ベスト8、NHK杯ベスト4と公式戦で上位の長崎総科大附。最速137キロ右腕・東山 輝星(2年)、速球は120キロ台だが、縦割れのカーブを武器にする川原 豊(2年)、同じく125キロ前後ながら縦に鋭く曲がるカーブのコンビネーションで勝負する野付 陽太と、突出して速い投手はいないが、個性的。それだけに捕手のインサイドワークによって出来が左右される投手陣といっていいだろう。

 野手陣ではパワフルな打撃で勝負する仲田 純(2年)、俊足巧打で、また濱地真澄福岡大大濠関連記事)からも本塁打を打った峯 晃哉(2年)と好素材の野手が多く、また前後を打つ打者も俊足な打者が多い。一気に畳みかける打撃力は魅力的。渡瀬 尚監督の指導の下、組織力あるチームを育て上げており、この夏は十分に初の頂点を狙える実力は持っている。

 ノーシードで面白いのは瓊浦。エース・平湯 雄平、常に安打が期待できる栗原 岳、長打力ある高峰 竜輝(2年)と能力ある選手が揃う。さらに県内屈指の遊撃手・井崎 光次郎がいる長崎西も怖い存在だろう。同ブロックのシードは、NHK杯準優勝の清峰だ。清峰も、走攻守三拍子揃った平野 弘陽、184センチの長身から最速138キロを計測する豊村 直大(2年)など能力ある選手が多い。

波佐見・長崎商ブロックは県内注目選手が揃ったブロックに

野元 浩輝 (佐世保工)

 波佐見ブロックには強豪校が揃ったブロックに。波佐見小浜vs長崎東の勝者と対戦。NHK杯優勝の長崎商佐世保南大村の勝者と対戦することになった。130キロ前後ながらテクニックの上手さが光る本田 一政、勝負強い打撃、正確なスローイングが光る小出 凌太郎、強肩が光るセンターの守備とバットコントロールの良さが光る田中 虎次郎と攻守にまとまりがあるチームだ。

 長崎商のブロックには強豪が勢揃い。県内屈指の右腕・上原惇擁する諫早農昨秋ベスト4の長崎北陽台と対戦。その勝者が、さらに最速146キロ右腕・野元 浩輝擁する佐世保工九州大会に出場し、スラッガー・村上 純平など強打がウリの長崎南山との勝者と2回戦で対戦することとなるので、熱い戦いが期待できそうだ。

 ブロックを見ていくと、県内の強豪校が散らばっており、それぞれの見所がある。いずれにしろ勝ち上がる学校は全国でも十分に戦える学校が甲子園の舞台に出てくることは間違いない。

(文・河嶋 宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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