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各ブロック、強豪校同士の対戦が早くも実現!大阪府大会の見所を紹介

2016.03.15

 3月12日、春季大阪府大会の組み合わせが決まった。今年は各強豪校がブロックごとに散らばっているように見えるが、早い段階で、強豪校同士の対戦が実現する可能性が高い。今回は各ブロックごとの注目校を紹介していきたい。

Aブロックは横綱不在の上宮太子、大阪産大附ブロック

木戸 幸大(上宮太子)

“横綱”はいないだけに多くのチームにベスト4入りのチャンスがある。その中でも注目されるのは上宮太子大阪産大附枚方津田汎愛の4校になるだろう。

昨春ベスト4
上宮太子は甲子園の舞台からしばらく遠ざかってはいるが、大阪大会上位進出の常連。現部員が高校に入学した2014年春以降、敗れた相手は大冠大体大浪商履正社大阪偕星学園PL学園太成学院大高と強豪のみ。取りこぼしをしないのが大きな強みで、組み合わせの関係上、上記に挙げた注目校の4校の中では唯一別の山に入っていることも大きな追い風になるかもしれない。

 昨年のチームは2度にわたる監督交代劇に振り回された大阪産大附だったが、試合となれば地力の高さを見せつけていた。今年は力のあるボールを投げ込む播摩 駿介(3年)を中心に上位進出を狙う。枚方津田は中学時代に軟式で全国大会に出場した小林 晃太(2年)がどこまで成長したか。きれいな投球フォームが目を引くだけに、昨夏の時点で60kgだった体格をスケールアップさせていれば一気に注目選手となる可能性がある。部員数の多い汎愛はスタンドから送られる声援にも迫力がある。チーム一丸となって相手にプレッシャーをかけたい。

 まずは枚方津田汎愛がぶつかり勝者が大阪産大附に挑戦し、準決勝進出を懸けては上宮太子と争うことになりそうだ。

Bブロックは履正社、大体大浪商、阪南大高が集結した熾烈なブロック

寺島 成輝(履正社)

 ドラフト1位候補の寺島 成輝(3年2016年インタビュー)を擁する履正社昨夏準優勝大体大浪商昨秋3位阪南大高などの強豪私学勢と大冠桜宮といった有力公立勢がひしめく最激戦区。特に履正社金光大阪はこのブロックのみならず大会全体を見渡しても1回戦屈指の好カード。馬力のある大型サウスポー・寺島はエースだけでなく打者としても4番を打ち、チームをまとめるキャプテンの重責も背負う。1年時から大きな注目を集めていたが甲子園出場は無し。名実共に大黒柱としてラストイヤーに挑む。

 その他のカードでは東海大仰星対四條畷の対戦に注目。四條畷は大阪でも有数の進学校で、練習時間や場所などの環境面が充実しているとは言い難いが、昨春大体大浪商近大附を退けてベスト8入り。3年前の夏に東海大仰星と対戦した時(試合レポート)は敗れはしたが、地力で勝る相手をあと1歩のところまで追い詰めた。東海大仰星にとっては初戦の相手としてやりにくいに違いない。

 過去の実績を考えれば本命は履正社だが、どこがベスト4入りを果たすにせよ、このブロックを勝ち抜いての準決勝進出は価値がある。

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[page_break:Cブロック・Dブロックの展望]

Cブロックは大商大堺ブロック、PL学園など有力校が揃う

宋 智弘(大阪商大堺)

 このブロックの注目は昨秋優勝大阪商大堺だ。今年は投手陣の駒が豊富。好リードの捕手・宋 智弘(3年)とのバッテリーで落ち着いた試合運びを見せたい。対照的なのが、内野のメンバーが旧チームからほぼそのまま残る関大一で、攻撃力が自慢。各打者のスイングは鋭く、大きなリードで相手投手を揺さぶるなど完成度は高い。投手力にやや不安を残すが打線の力でカバーする。

 今夏を最後に一時休部状態となるPL学園は部員12人で大会に臨む。初戦の相手は大手前太成学院大高の勝者となるが、夏につながる結果を残したい。
他にも関西大倉浪速東大阪大柏原ら中堅所が冬の成果を発揮すれば上位進出の行方は混沌としてくる。ここも勝ち上がるチームの予想が難しいブロックだ。

Dブロックは大阪桐蔭が本命 昨夏出場の大阪偕星学園も怖い存在

高山 優希(大阪桐蔭)

 大阪桐蔭が大本命と見られるこのブロック。投手陣は150km/h左腕のエース・高山 優希(3年2016年インタビュー)を筆頭に力勝負の出来る速球派投手が揃う。野手陣は経験値の高い中山 遥斗(3年)、永廣 知紀(3年)、吉澤一翔(3年)が上位打線に並び、他にも強肩強打の選手が多い。選手層の厚みは間違いなく全国トップクラスでありながら、西谷 浩一監督も選手達も近畿大会優勝した後に「まだまだ勉強したい」と口を揃えるなど、全く驕る様子は無い。能力の高い選手が精神面でも隙を見せないのが王者の証。初戦の相手は昨春、最も苦しめられた堺東堺東のチームカラーは取られたら取り返せ、というものであるだけに初戦から活発な試合となりそう。

 同じブロックに入った近大附、古豪・上宮も上位進出のためには大阪桐蔭を避けては通れない。昨夏優勝した大阪偕星学園も、順当に勝ち進めば3戦目で大阪桐蔭とぶつかる可能性がある。その対決が実現すれば、本命が突き進むかどこかが止められるか、という展開になりそうだ。

 準決勝以降の試合は例年、夏の決勝が使用されている[stadium]舞洲球場[/stadium]で試合を行う。緊張感のある中、メインスタジアムで戦ったという経験値は夏へ向けての大きな財産。3位決定戦も同球場で行われるためベスト4に入れば2試合分の経験が積める。組み合わせ抽選にシードは無いが夏へ向けてアドバンテージを得るのはどこになるか。

(文・小中 翔太


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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