目次

[1]天理が実践する捕球練習
[2]大阪桐蔭が行うキャッチボール・ボール回し
[3]興南の超効率的投内連携

 桑田真澄氏の巨人コーチ入閣により、著名人の間で量か質かの議論が多くなされている。あまり語れないが、現代の高校野球は強豪校はかなり練習のドリル化を図っている。

 かつては肉体的にも、精神的にも高負荷の長時間練習が当たり前だった。いわゆる絶対的な量の多さが第一だった。もちろん必要最低限の量をこなすべきだが、練習というのはその選手、チームの習慣や骨格を作っていくもの。その中に間違った方向性や心身にダメージを与えるものであれば、量が多ければ、損傷が大きい。

 桑田氏のような理知的な方は、目先のことではなく、その先を見据えてベターな行動、練習ができる先見性があったからこそ結果を残し、練習内容も見直されていった。

 強豪校はどういう練習をドリル化しているか。

天理が実践する捕球練習



 6人1組になって4か所に分かれてのボール回し。塁間の半分程度の距離をとって、正面にいる相手にボールを投げると、そこから二遊間の併殺プレーと同じ動きで隣にいる相手に足を使いながらトス。また3人1組での捕球練習もある。長い時間をかけるのではなく、1セット10球とそれほど多くない。

 元プロの中村良二監督は「惰性でやることは意味がないです。でしたら、短い時間で少ない回数でも効率よくやろう」と少ない数でも意識してやることにこだわっている。

大阪桐蔭が行うキャッチボール・ボール回し



 これはオフ期間で行われた練習メニューで、短い距離でのキャッチボールは3種類行っていた。まず半身体型から股関節を動かすことを意識したキャッチボール。続いて、アンダースロー気味のスローイングで体幹部を意識し、さらに正座の体勢から投げるキャッチボール。ただ腕だけの意識では投げられない。体幹部分を意識してコントロールよく投げる意識が見られる。

 さらにボール回しも工夫が凝られていた。

 ランダンプレーが織り交ぜたボール回しがある。ただのランニングスローではなく、たとえば、ホーム側がいる選手は一塁を向かう途中で、一塁から二塁へ向かう途中の選手へ投げる。

 二塁へ向かう選手は後方からボールを受け取るため、胸元に投げないといけない。

 これは時計回りだけではなく、反時計回りを行う。取材日の練習ではノーエラーを30本を行っていた。そして短い距離のボール回しを行う。半身の態勢から素早く投げる。