増量のために(3/3)
第43回 増量のために(3/3)2011年12月01日
「増量のために」3回シリーズの最終回。どうでしょう、体重は増えてきていますか。
今月はより効果をあげるために「増量するにはいつ食べたらいいのか」というお話しをます。
筋肉づくりを手助けする「成長ホルモン」
「成長ホルモン」
この言葉を聞いたことがない人はいないでしょう。身長が伸びるときに分泌されているという“アレ”です。成長ホルモンには身長だけでなく筋肉を成長させる働きがあります。その他にも、栄養素の分解やエネルギーの生産など代謝にも関わるホルモンなので、「成長」とは言いますが大人でも分泌されているホルモンです。
「成長ホルモン」は、運動中~運動後、そして睡眠中に多く分泌されます。ですから、そのタイミングで体内で筋肉が作れる状態であることが大切になってきます。
「成長ホルモン」のタイミングを生かすにはどうしたらいいだろう
【豆乳を飲む瓊浦野球部員(野球部訪問より)】
練習が終わって2時間以上たって摂取した場合、筋肉(筋量)の増加はほとんど見られないとのデータもありますから、タイミングを逃さず摂取したいですね。
そのタイミングに何を食べるのがいいか
【練習の2時間前にはゆで卵などからたんぱく質を摂ろう】
もちろん、普段の食事でもしっかりとたんぱく質を摂取することは大切なことです。主菜(メインのおかず)だけでなく、副菜(野菜のおかず)や乳製品からも摂取することを心がけましょう。
今回は、先ほどの3つのタイミングで何を摂取するのがいいかをご紹介したいと思います。
1:練習の2時間前…食事の時間にあたる場合は、しっかりと食事をとりましょう。補食として摂る場合は、おにぎりやゆで卵、ヨーグルトなどでもいいでしょう。
2:練習後30分以内…吸収の速いものを摂るといいでしょう。牛乳など。手軽さで言えば、サプリメントなどもOK。(あくまでも「栄養補助食品」であることはお忘れなく!)エネルギーが枯渇している時なので、カステラやプリンのような糖質+たんぱく質の食品もいいでしょう。
3:就寝2時間前…夕食がこの時間になる場合は、食事でしっかりと摂取しましょう。時間があく場合や、夜練をする場合はこのタイミングでの摂取は効果的。ただし、脂質の多いものや固形のものを摂取すると消化に時間がかかるため、体に負担がかかってしまいますから、牛乳(気になる人は低脂肪乳を利用しましょう)やサプリメントなどがいいでしょう。
なにも、特別なものを摂る必要はありませんから、手軽なものを上手に取り入れていきましょう。
指導者の方は、練習のスケジュールの中に少しだけ補給の時間を加えていただけるとより効果が出てくると思います。
保護者の方、寮で食事管理をされる方は、選手が補給したいとき(補給しなくてはいけないとき)に摂れるよう、冷蔵庫などにたんぱく質が豊富な食品を常備しておくといいと思います。
長い冬…と思っていても、あっという間に春はやってきます。補給することを意識して、まずは今日から頑張りましょう。
本年もコラムをご愛読いただきましてありがとうございました。良いお年をおむかえください。
(文=鎌倉 彩)
■ 次回の栄養学一口コラムの公開は2012年01月01日予定です。お楽しみに!