疲労回復のために
第37回 疲労回復のために2011年07月07日
【夏本番!万全のコンディショニングで試合に臨もう】
暑い暑い夏がやってきました。夏は、大会も練習も普段と比べて多い時期です。トレーニングはもちろん頑張っているとは思いますが、加えて食事・睡眠をしっかり取り万全な状態で試合や練習に臨みましょう。
ここでキーワードになるのが『疲労回復』。今回は、疲労回復の手助けをする食事の話をしたいと思います。
ポイントは「炭水化物」「たんぱく質」「ビタミンC」の3つ。では、ポイント別に見ていきましょう。
1:炭水化物
毎度おなじみのエネルギー源ですね。運動をすると体のエネルギーは当然なくなりますから、補給してあげることが大切です。炭水化物は車で言えば『ガソリン』。ガソリンが無くなった体は動けませんから。
そして、炭水化物が重要な理由の一つに「たんぱく質はエネルギーが枯渇している状態ではエネルギー源として使われる」という働きが挙げられます。おそらくみなさんはたんぱく質を「筋肉をつけるため」や2:たんぱく質 で挙げているように「筋肉の修復のため」という目的で摂取していることでしょう。しかし、せっかく摂取したたんぱく質もエネルギーが枯渇しているとその目的をなし得ないのです。ですから、まずはしっかり炭水化物を摂取しましょう。
2:たんぱく質
筋肉を使うと、筋肉は傷つきます。これを修復することが疲労回復への近道です。たんぱく質を多く含む食品はたくさんありますが、手軽さとたんぱく質の豊富さを考えるとオススメは卵。ゆで卵でいいですから運動後できるだけ早く摂取したいですね。もちろん、1:炭水化物 に書いたように、たんぱく質はエネルギーが枯渇した状態で摂取するとたんぱく質自体がエネルギー源になってしまいますからご注意を。
3:ビタミンC
疲労回復で有名な栄養素といえば、ビタミンC。野菜や果物に多く含まれる栄養素でしたね。特に柑橘類(みかんやレモンなど酸っぱく感じる果物)には多くのビタミンCが含まれます。果物は気分転換にもなりますし積極的にとりたいですね。できれば、果物そのものを摂ってほしいですが、どうしてもと言うときは果汁ジュースでもOKです。
ただし、砂糖がたくさん入っている場合がありますので果汁100%かどうかを確かめるようにしてくださいね。また、ビタミンCは時間とともに減少してしまう栄養素ですので、ご家庭で作る場合は作り置きをしないようにしてください。練習前後や夕食の際に、梅干を食べるのも手軽にできる摂取方法です。ぜひ試してみてくださいね。
忘れられがちなのがミネラルの摂取。夏には大量の汗をかき、体内のミネラルも減少します。水ばかり飲むとミネラルが不足し痙攣を起こしてしまう危険性もありますから、長時間の練習の場合はスポーツドリンクを利用したり、食事でしっかり補うなど心掛けてください。
夏は食欲も落ちがちです。だからと言って食べないのではトレーニングもできません。
しっかり食べて疲れをとって、翌日に備えたいですね。
次回は、暑い夏の食事のポイントについてお話したいと思います。
(文=鎌倉 彩)
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