第223回 鹿児島実業高等学校(鹿児島)2015年06月20日

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【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]「裸練」から始まる一日
[2]脈々と受け継がれる精神
[3]野球は「ふてぶてしく、大胆に」

「節目の年」に捲土重来を期す!

 鹿児島実の甲子園出場回数は春8回、夏17回。1996年春には、鹿児島県勢初にして現在まで唯一の甲子園制覇を成し遂げた名門校である。野球部だけでなくサッカー部や陸上部も「全国制覇」の実績があり、プロ野球では杉内 俊哉(巨人)2014年インタビュー、本多 雄一(ソフトバンク)2014年インタビュー、Jリーガーでは遠藤 保仁(ガンバ大阪)、伊野波 雅彦(ジュビロ磐田)といった著名選手を幾人も輩出しており、全国的な知名度も高い。

「カジツ」の愛称で親しまれており、「学校名を『鹿実高校』に変更しようかと検討されたこともあった」と野球部・宮下 正一監督は言う。

 その鹿児島実、今年は学校創立100周年の節目の年にあたる。野球部は学校が創立した2年後に同好会として発足しているので、学校とほぼ同じ100年近い歴史がある。鹿児島県内では樟南鹿児島商と並んで「御三家」と呼ばれるほどの甲子園常連校だが、鹿児島実の甲子園は2011年春、夏に関しては2010年以来、遠ざかっている。節目の年に捲土重来を期す野球部の夏の大会を1ヵ月後に控えたある一日を追ってみた。

「裸練」から始まる一日

鹿実の裸練 ランニングに取り組む選手たち(鹿児島実業高等学校)

 鹿児島実野球部の一日は、朝練から始まる。「朝練」といってもユニホームを着てボールやバットを使うことはない。月曜から金曜まで、朝6時半から約1時間、上半身裸、ランニングパンツスタイルで走り込み、サーキットトレーニング、縄跳びなど地道な基礎体力作りのメニューを行う。これを「鹿実の裸練」と呼ぶ。

 普段はグラウンドを走ることから始めるが、この日は雨でぬかるんでいたためそばの坂道を走った。グラウンドに横たわって腹筋、背筋、腕立て伏せ…3学年で総勢100人を超える高校生たちが、きちんと等間隔で整列してトレーニングする姿は壮観だ。グラウンドが高台にあるため「オッシ」と声を挙げる度に、こだまが聞こえる。

 裸練の目的は、基礎体力作りもさることながら、宮下監督は「精神修行」と言い切る。今はまだいいが、冬場の寒い時期でもやるから恐れ入る。霜柱が立つグラウンドで、腹背筋を繰り返していると、部員たちの汗で霜が融けて湯気が立つという。終わった後は外野の後ろの水道で身体を洗ってから登校する。
「授業が始まる頃になると身体がポッポしてきて眠くなるんですよ」
20年以上前、現役鹿実生だった頃、同じように裸練を体験した宮下監督は苦笑する。

 社会人になってあと10分、5分寝ていたいと思っても「後輩たちが裸練を頑張っている!」ことを思い出して目を覚ます。仕事や人間関係で嫌なこと、きついことがあっても「裸練をやり抜いた自信」で乗り越える。
「そんな体験を社会人になって、年の離れた先輩、後輩たちと語り合って欲しい」
という想いが宮下監督にはある。

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コメント (2)
薩摩隼人2018.03.08 カンナバル
チェスト!
長野に現れた怪物!2015.06.20 中田有夢
長野を代表する選手になってくれるだろう!今後が楽しみな選手です!

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プロフィール

政純一郎
政 純一郎(つかさ・じゅんいちろう)
  • 生年月日 1974年12月18日
  • 出身地 鹿児島市
  • ■ 経歴
    鶴丸高校―同志社大
  • ■ 鹿児島新報で6年間スポーツ担当記者。2004年5月の同社廃刊後、独立
  • ■ 「スポーツかごんまNEWS」を立ち上げ、野球、バスケットボール、陸上、サッカーなど主に鹿児島のスポーツを取材執筆する。2010年4月より奄美新聞鹿児島支局長を兼務
  • ■ 著書に「地域スポーツに夢をのせて」(南方新社)「鹿実野球と久保克之」(同、久保氏と共著)
  • ■ Webでは「高校野球ドットコム」、書籍では「野球小僧」(白夜書房)「ホームラン」(廣済堂出版)「陸上競技マガジン」(ベースボールマガジン)「月刊トレーニングジャーナル」(ブックハウスHD)などに記事を寄稿している。
  • ■ 野球歴は中学から。高校時代は背番号11はもらうも、練習試合に代打で1打席、守備で1イニングの試合経験しかない。現在はマスターズ高校野球のチームに所属し、おじさんたちと甲子園の夢を追いかけている
  • ■ フルマラソンの自己ベスト記録は3時間18分49秒(2010年のいぶすき菜の花マラソンにて)。野球とマラソンと鹿児島をこよなく愛する「走るスポーツ記者」

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