第121回 都立小山台高等学校(東京)2014年02月17日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]秋季大会では強豪校を相次いで撃破
[2]日々の野球日誌で意識を高めていく
[3]練習時間が短いからこそ意識を集中できる


第86回選抜高校野球大会 特設ページ

 集中力を高めたい――。多くの野球部の選手たちから聞かれる言葉である。そのためにさまざまなトレーニングを試みたり、自分に負荷を課しながら、挑戦している選手たちも少なくない。

 毎日の練習時間はわずかに1時間半。しかも、60×90mしかないグラウンドをサッカー部やラグビー部などと分けて使いながら、使用できるのは週3日だけ。それでも、今春は21世紀枠代表校として甲子園出場を果たしたのが小山台だ。
 その背景には、限られた条件だからこそ、集中力を高めていくことができる秘訣があったようだ。

秋季大会では強豪校を相次いで撃破

校舎には出場を祝う垂れ幕

 JR山手線の目黒駅で東急目黒線に乗り換えて2駅、武蔵小山駅で下車すると、地上に出てから徒歩わずかに15秒程度で都立小山台高校の正門にたどり着く。そこからすぐに、グラウンドを覗き見ることもできる。住宅街や商店街に隣接した都心の学校である。

 交通の便の良さは言うことはないのだろうが、都心の学校の宿命ともいえるもので、グラウンドはとても思う存分に野球の練習ができるという広さではない。しかも、「進学指導特別推進校」に指定されていることもあって7時間授業が組まれており、定時制もあるということで午後5時には完全下校をしなくてはならなくなっており、グラウンドの使用時間も限られている。そんな中で成果を上げていくのには、それぞれが工夫をしていかなくてはいけない。

 それでも秋季東京都大会では限られた中で、集中力を高めていった練習が功を奏した。一次ブロック予選を無難に勝ち上がると、本大会では、初戦堀越2回戦では早稲田実業と甲子園出場実績のある強豪校に相次いで競り勝った。
 終盤の粘り強さは近年の伝統にもなりつつある。少ないチャンスを生かす集中力も発揮した。さらには、3回戦では2000年夏に甲子園出場をしている日大豊山に完封勝利。堂々のベスト8進出を果たした。

 準々決勝では、東海大高輪台の先制攻撃に屈する形で先制され、ついぞ追いつききれなかったが、その戦いぶりと、短い練習時間や狭いグラウンドなど限られた環境の中で工夫していく練習への取り組み方や、進学校として文武両道を貫いていく姿勢などが高く評価された。
 21世紀枠代表候補として推薦され、選考委員会からの評価も高く、悲願のセンバツ甲子園初出場を果たした。都立校としても初のセンバツ出場ということになった。


【次のページ】 日々の野球日誌で意識を高めていく

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
国士舘vs都立小山台【東京都 2019年春の大会 春季東京都高等学校野球大会】
都立小山台vs早稲田実業【東京都 2019年春の大会 春季東京都高等学校野球大会】
都立小山台vs都立紅葉川【東京都 2019年春の大会 春季東京都高等学校野球大会】
都立小山台vs世田谷学園【東京都 2019年春の大会 春季東京都高等学校野球大会】
都立小山台vs都立狛江【東京都 2019年春の大会 春季東京都高等学校野球大会】
第834回 21世紀枠18年分の出場チーム早見表!【大会情報・チーム紹介記事まで網羅!】【大会展望・総括コラム】
第4回 21世紀枠出場チーム早見表!【過去10年分】【センバツ2018】
第581回 秋の東京は一次から激戦!東海大菅生vs二松学舎大附など各ブロックで好カードが目白押し!【大会展望・総括コラム】
第308回 【東東京展望】関東一と二松学舎大附の2強時代は夏まで続くのか?それを阻む学校は?【大会展望・総括コラム】
第53回 駒大苫小牧(北海道)編「北海道に甲子園の優勝旗をもたらした駒大苫小牧のつながり!」【先輩・後輩・同級生!つながりトリビア】
伊藤 優輔(都立小山台) 【選手名鑑】
大石 悠介(駒大苫小牧) 【選手名鑑】
香村 洋臣(都立小山台) 【選手名鑑】
都立小山台 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
  • ■ 講演依頼はこちら
    講演・セミナー依頼受付中

ベースボールファン
野球部訪問トップに戻る サイトトップに戻る

コラム