第118回 富山第一高等学校(富山)2014年01月28日

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[1]監督が考え方を変えた3年目の敗戦
[2]「生徒たちがやる野球」を作るためには
[3]実戦感覚を養いながら、“人間”を形成していく

監督が考え方を変えた3年目の敗戦

富山第一高校野球部 黒田学監督

 昨夏の「第95回全国高校野球選手権記念大会」では、エース・宮本 幸治(3年)を中心にしたチームで、富山県勢としては実に40年ぶりとなる甲子園ベスト8へ進出。準々決勝(2013年08月19日)では、準優勝した延岡学園に惜しくもサヨナラ負けを喫したものの、多くの球児が憧れる大舞台で結果を残した富山第一
 特にここ近年の夏の県予選を振り返ると2009年以降、ベスト4、準優勝、ベスト8、ベスト8、優勝とそうそうたる成績を残している。この好成績を支えているのは、2009年4月に監督に就任した黒田 学監督の存在が大きいと言えるだろう。地元魚津高校から横浜国立大学を経て、富山第一のコーチに就任。5年間、コーチとして選手と接し、現在は監督として選手を率いている。だが、黒田監督によるとこの好成績も、初期と後期では内容は大きく異なるという。

「監督になった頃はとにかくがむしゃらにやるだけ。コーチとして5年間の経験があったとしても、監督としての知識やノウハウがあるわけではないので。『とにかくオレについてこい』みたいな感じで、大きな声をだして、ひたすらにノックを打って。で、就任1年目でベスト4、2年目で準優勝。コーチ時代は最高でもベスト8のチームだったので、今思うと正直私自身が大きな勘違いというか、調子に乗っていた部分があると思うんです。私がやったら勝てるみたいな」

 そんな中、迎えた3年目、黒田監督は大きな壁にぶち当たる。

「3年目の夏はベスト8。成績だけ見るとよくやったって捉えられる成績なんです。でも、春はこれまで負けたことない富山国際大付属に0対10で5回コールド、ノーヒットノーランで負け。夏は準々決勝で砺波工にコールド負け。秋は準決勝で不二越工に負け。不二越工にはその前の地区大会でコールドで勝っている相手だったんです。

 その試合内容が良くなくて、頭にきて、ガンガン説教して翌日の3位決定戦でそれを引きずって砺波工に負けて、北信越大会出場を逃して。その後の1年生大会も滑川にボロ負けしたんです。その時の1年生が、昨夏に甲子園に行った宮本たちの代で、そこそこ力のある生徒がいたにもかかわらず、そんな成績の1年だったから、期待の裏返しで、周りの野次もすごかった(笑)。

屋外フリーバッティングでの黒田監督の指導

 そういう中で、逃げ場を失ったとき私は、自分自身を見つめなおしました。いろんな本を読んだり、いろんな人と会っていろんな考え方を聞いたりしましたね。そしてある結論を導き出したんです。自分の信念を変えるのではなく、同じ結果を目標としても方法は1つじゃない。山頂は1つでも登山道はたくさんあるんだということに気付いたんですね。
 前だったら直球だけで生徒に伝えていたのが、同じことを生徒に気付かせるために変化球を使うときもある。そういうテクニックが必要になってくるんだということが分かったんですね。そして一番大事なのは富山第一高校で野球をやりに来て、毎日健気に練習している生徒たちが一番大事なんですね。こいつらを最優先に考えてやらなきゃいけない。就任当初は、『自分はこうなんだ、力があるんだ』という自己顕示がどこかにあったと思うんです。

 でもそんなんどうでもいい、とにかく生徒を最優先にこの子たちのために、何を伝えるかを考えよう。そう考えていくと試合の進め方も変わってきたんです。
 前は先頭に立って、ワーと声を出して、言い方悪いですけど生徒を操って勝たせなきゃという意識だったんですけど、僕が一歩下がって、生徒が今どういう状態で、どうやって戦っていくのかなということを一歩下がって客観視できるようになった。当然ミーティングで相手の分析して、対策も伝えますし、サインを出して相手の糸口を見出していくんですけど、意識の中で一歩下がって全体を見られるようになったんです。
 そうやって冷静になって客観視すると、いろんな情報が見えてきて、1イニング、3イニング先がどういう展開になっているのかなとよめるようになってくるんですね。あくまでプレーするのは生徒。『生徒たちの野球』を実践していくためにどういう野球を教えて行けばいいか。それを考えて実践していった公式戦(2012年春)で北信越で優勝できたんです。2012年夏富山商に負けて甲子園には行けなかったんですが、その年の秋から今まで県内の公式戦20連勝へとつながっていくんです。だから私にとってもチームにとっても2011年は大きな転換期でした」。

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コメント (1)
100倍努力全国制覇2014.04.20 富山第一ファン
春季大会初戦は格下ではあったけどまずまずの出来、石川投手少し安定感が出て来た、球の走り切れはまずまずだが初球の入りが悪い!投げた瞬間のボール球は頂けない、三振は結構奪ったが全国レベルでは今日の半分も取れないでしょう。制球力、緩急をつけて配球を磨こう(バッテリー)内野手もっと守備範囲を広く送球も速く強く!幸山君は遠くへ飛ばすセンスは凄いけど外角の変化球も含め右中間への長打が欲しい(見たい、清原タイプに)まだ始まったばかりですがサッカー部に続いて北陸に優勝旗を・・・3年前に野球所から移り住んでつい富山第一ファンになったおじさんより チーム一丸ガンバレ!!

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