「山形県立北村山高等学校」

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第16回 県立松山商業高等学校(愛媛)2011年01月14日

「心」という力を手に

最終ランナーを全員で囲む

 このように「効率」、「効果」など「効」が優先される昨今の高校野球とは背を向ける形で進められながら、一体感を生んでいった松山商の冬合宿。では、なぜ重澤監督はこのような形式の練習を冬合宿で行うのであろうか?

「世の中には理不尽な事なこともあるし、『これでいい』と思っても周りが認めてくれないこともある。野球でもゲーム中にうまくいかないことはあるし、やったつもりでもできないこともある。でも、それが人生なんです。世の中に出たら思い通りにいかないことの方がはるかに多い。そこで前向きに捉えることができない人間にはなってほしくないので、僕は野球を通じてそこを学んでほしいんです」。

 実は先に「鉄アレイ」代わりと記したペットボトルもその理念と密接にリンクしている。
指揮官はこのペットボトルが与えるもう1つの効果についても語ってくれた。

「人間ってすぐに苦しいことを忘れてしまうものじゃないですか、そのときにあの苦しい練習をした砂浜の砂が入ったペットボトルを見れば、そのときのことを思い出すと思うんですよ。選手たちにはあれを『お守り』にしてほしいですね」。

 残念ながら2日目終了時点で取材を終えることになった今回の松山商冬合宿。
しかしどうしてもそのラストシーンが気になって翌日夜に電話すると、受話器の向こうからは「最終日はみんな号泣しながら坂道ダッシュをして、無事に終わりました!」と、初日「まだ殻を破る子と破らない子の差がありますね」と重い声で話したときとは180度異なる重澤監督の明るい声が返ってきた・・・。

そんな彼らの守り神となる砂入りペット

 勝負の世界は実に非情なものである。
たとえ松山商がこのような精神修練を積んだとしても、実力の部分で他校との差を埋められなければ勝利することはできないし、勝敗は時に実力外の運で左右されることもある。

 しかし、ただ1つ言えるのは彼らがこの3日間でこれからの長い人生にとってかけがえのない「心」を手にしたこと。
それは昨秋には愛媛県大会で3位に入り15年ぶりに四国大会に出場して復活への狼煙をあげ、今夏は10年ぶりの甲子園到達を目指す松山商硬式野球部にとっても、栄光を狙う上での「走・攻・守」に加わるもう1つの力となるはずだ。
そう、あの砂入りペットボトルと共に。

(文=寺下 友徳)

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コメント (2)
松山商の体力トレーニング2011.11.15 OBナイン
懐かしく思いながら体力トレーニングの風景を
見させてもらいました。確かに、浜辺で走りこむと
何故か顔に砂が付いている選手がいるんですよね。

きっとうつむせで寝た状態から走り出す練習の時、
どうしても付いてしまうんだと思います。
払い除けないのは、監督から見ても、
「”おっ”全力でやってるな」って思われるから
なんでしょう。

3年間で下半身のトレーニングは特に多く、学校から
10km先の浜辺や学校から牧場のある山まで等、
よく走らされた記憶があります。

特に厳しい思いをした記憶は、1年生の頃、雨の日の
校舎内での筋トレーニングでこれは最も過酷な練習でした。
いつも授業の5時限目くらいから憂鬱になったものです。
階段ダッシュ、指たて伏せ、腹筋、背筋、スクワットこれの
繰り返し4時間です。

個人的には、指導係の上級生3人がとっても厳しく接するため、
途中、反発する選手は1人もでませんでした泣き出す者もいて
甲子園に行きたい!なんてムードもがた落ちでした。


はっぱり、指導者がムードを作りながら指導してくれる方が
選手のモチベーションも維持できるのではないでしょうか?
涙がでました2011.01.22 野球母さん
冬合宿特集 楽しく読ませていただきました。
と同時に涙がでました。
息子は今 高校2年、今年最後の夏にむけて
一生懸命練習に取り組んでいます。

他校の練習って気になるものですから
今回の特集記事はとても興味深い内容でした。

息子達も過酷な冬合宿を終えた時は
全員で叫んだそうです。
やはり中には泣き出した選手もいたようで・・。

ときどき練習を見に行きますが 
夏にかける思い・・ぜひ夢をかなえて
ほしいです。

母たちは 洗濯と食事つくりくらいしか
サポートしてあげられないですから。
お米をとぐ度に
「いっぱい食べて頑張れ」と祈ってます。

今後も「野球部訪問」楽しみにしています。
そして いつかわが高校に取材に
きてもらえるよう頑張ります。

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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