「山形県立北村山高等学校」

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第16回 県立松山商業高等学校(愛媛)2011年01月14日

バットもボールもグラブもない冬合宿

いっぱいに砂を詰めたペットボトルを持ってダッシュ!

 12月28日14時、さくら寮に程近い公園に練習着姿で集まった2年生5名、1年生21名、計26名の選手たち(1年生1名はけが治療のため合宿不参加、他に2年生男子マネジャー1名、女子マネジャー2年生1名、1年生1名)。
選手同士で軽く会話は交わしながらも、その顔は一様に不安に満ちている。
それもそうだろう。
事前に重澤監督から「理にかなった練習は一切しない。体力はつかないよ」とおおまかな指針は告げられ、「川之江の監督時代の先輩から事前にお話は聞いていた」(北川雄大主将)とはいえ、その内容はベールに包まれたまま。

しかも手に持っているのは手袋と空の500mlペットボトル2本のみ。バットも、ボールも、グラブもそこにはないのだ。

そしてダッシュで体を温めた後の集合で、重澤監督から改めて言われた「お前らにとって人生で一番辛い3日間になる」という訓示。彼らはそれを聞いた瞬間、たちまち表情をなくしていったのである。

 かくして始まった最初のメニューはいきなり松山市郊外の海水浴場へ向けての10kmロード。
この日は冬の瀬戸内海ならではの冷たく強い風が吹き付け、けが人3名が乗る自転車ですら立ち向かうことが厳しい気候であるにもかかわらず、60分を目標タイムに設定されての大出走。
いくら普段から体を鍛えぬいた高校球児といえども、それだけでも相当なきつさである。
案の定、息を切らせながら海水浴場に到着した選手たち。

しかし彼らにとって真の地獄は、鉄アレイ代わりとしてペットボトルに一杯の砂を詰め込んだ直後から始まった砂の上であった。
乳酸がたまった脚を容赦なく刺激する150m全力ダッシュ。
潮風がのどを刺激する中での声出し、「体操」とはとてもいえない果てしなき間、続けられる屈伸運動の数々、そしてまた足がもつれる中での砂浜ダッシュ。
しかもダッシュ系の練習は全て両手にペットボトルを持って走らなければならない。

加えて彼らが少しでも妥協のそぶりを見せようものなら、即座に重澤監督、程内大介部長、サポートメンバーとして参加した3年生たちなどから叱咤激励を超える声が飛んでくる。

「自分の殻を破れ!破らないと意味はない!」
「馬鹿にならないと変われない!変わって帰れ!」
「心を入れ替えろ!」

 この日、10mをゆうに超える嵐となる中で続いた砂浜での「精神鍛錬」が終わったのは17時すぎ。再び10kmを走って戻ったさくら寮での夕食における空気は、これまでの練習とは全く違う場所から訴えてくる痛み、箸すら進まない疲労感と、初日以上の練習になるに違いない2日目がやってくることへの絶望感が満ち満ちていた。

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松山商 【高校別データ】
コメント (2)
松山商の体力トレーニング2011.11.15 OBナイン
懐かしく思いながら体力トレーニングの風景を
見させてもらいました。確かに、浜辺で走りこむと
何故か顔に砂が付いている選手がいるんですよね。

きっとうつむせで寝た状態から走り出す練習の時、
どうしても付いてしまうんだと思います。
払い除けないのは、監督から見ても、
「”おっ”全力でやってるな」って思われるから
なんでしょう。

3年間で下半身のトレーニングは特に多く、学校から
10km先の浜辺や学校から牧場のある山まで等、
よく走らされた記憶があります。

特に厳しい思いをした記憶は、1年生の頃、雨の日の
校舎内での筋トレーニングでこれは最も過酷な練習でした。
いつも授業の5時限目くらいから憂鬱になったものです。
階段ダッシュ、指たて伏せ、腹筋、背筋、スクワットこれの
繰り返し4時間です。

個人的には、指導係の上級生3人がとっても厳しく接するため、
途中、反発する選手は1人もでませんでした泣き出す者もいて
甲子園に行きたい!なんてムードもがた落ちでした。


はっぱり、指導者がムードを作りながら指導してくれる方が
選手のモチベーションも維持できるのではないでしょうか?
涙がでました2011.01.22 野球母さん
冬合宿特集 楽しく読ませていただきました。
と同時に涙がでました。
息子は今 高校2年、今年最後の夏にむけて
一生懸命練習に取り組んでいます。

他校の練習って気になるものですから
今回の特集記事はとても興味深い内容でした。

息子達も過酷な冬合宿を終えた時は
全員で叫んだそうです。
やはり中には泣き出した選手もいたようで・・。

ときどき練習を見に行きますが 
夏にかける思い・・ぜひ夢をかなえて
ほしいです。

母たちは 洗濯と食事つくりくらいしか
サポートしてあげられないですから。
お米をとぐ度に
「いっぱい食べて頑張れ」と祈ってます。

今後も「野球部訪問」楽しみにしています。
そして いつかわが高校に取材に
きてもらえるよう頑張ります。

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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