勝田 新一朗、野下 陽祐、武元 駿希(彦根総合)


 近畿大会の成績で来春の甲子園出場も有力視されているが、センバツは選手も監督もさほど意識していないようだ。宮崎監督はこう話す。

「1月27日の選考を待っているだけの状態。選ばれたら光栄ですし、嬉しいですけど、そうでなくても公式戦で大阪桐蔭とできて、全国トップレベルの実力がこういうものがわかったので、それに1歩でも近づけるように、この冬に頑張ってトレーニングしていきたいです」

 あくまでも選ばれたらそこに向けて頑張るというのが彦根総合のスタンスだが、戦力的には全国でも上位を狙えるレベルにある。

 注目はやはり投手陣だろう。エースの野下 陽祐投手(2年)は鋭く曲がるスライダーを武器とする最速138キロ左腕。さらに最速143キロの勝田 新一朗投手(2年)、最速142キロの武元 駿希投手(2年)といった本格派右腕も控えていて、「三本の矢」として注目を集めていきそうだ。

 野手も2~4番を打つ田代 奏仁外野手(2年)、上田 大地内野手(2年)、蟹江 星允内野手(2年)を中心にバットが振れる選手が揃い、攻撃力も全国で十分に通用するはずだ。

「個々の能力を比べてみると、北大津の方が上だった年もありますけど、選手層の厚さとか、トータルで考えると、今のチームの方が穴はないという感じはします」と宮崎監督も総合力の高さには自信を持っている。

 現有戦力でも甲子園で十分に戦えるレベルだが、「秋のメンバーと春のメンバーが同じではチームとして成長はない。ガラっとメンバーが変わらないようでは本当に日本一を獲りにいけない」と宮崎監督は選手たちに呼びかけている。

 その中でレギュラー候補に浮上してきたのが樋口 律外野手(2年)。近畿大会は背番号18の控えとしてベンチ入りしていたが、取材日の紅白戦で長打を放つなど、チーム内での存在感を高めている。樋口を筆頭に秋は控えだった選手がレギュラーを脅かすようになれば、チーム力はさらに上がっていくに違いない。

 彦根総合にはスポーツエキスパート系列があり、水曜日を除く平日は午後から練習を行える一方で、練習後には校内塾で学習時間の確保にも努めている。その狙いについて宮崎監督は次のように語る。

「既に野球が強い学校と毛色を変えようとすると、他がやっておられないことをやらないことにはダメだなということで、野球が終わった後に勉強も頑張るというようなスタイルを取り入れています。学校の方も協力的で、本当にありがたいと思っています。頑張れる子はどんなことでも頑張れると思っています。上に行っても思う存分に野球ができるように最低限、大学でもついていけるような勉強の準備はしておかないとダメだということですね」

 近年では学校が定めた基準の単位を取得していないと公式戦に出場できない大学もある。文武両道が求められている世の中において、彦根総合の取り組みは卒業後に生かされることだろう。

 彦根総合は宮崎監督が赴任して3年で環境が整い、全国レベルの強豪校に肩を並べるまでに成長した。ここ数年の滋賀県は、同じ彦根市に所在する近江が甲子園で活躍を見せているが、そのライバルとして今後も滋賀県を盛り上げる存在となりそうな気配を感じさせる。まずは来春のセンバツに選出されるかに注目だ。

(記事=馬場 遼)

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