秋季千葉県大会を制した専大松戸はもちろん、木更津総合など覇権争いが毎年激しい千葉県の高校野球。実力あるチームが数年、一時代を築くかと思えば、新勢力が台頭するなど目まぐるしい。

 戦国千葉の異名がつくこの地で、第1勢力を淡々と狙っている実力校が千葉敬愛だ。

ベスト16目指した秋は県初戦敗退



千葉敬愛・高橋 昂暉

 2021年は夏の千葉大会ベスト16だったが、2017年はベスト8入り。上位進出をするものの、あと1歩が届かず、安定して上位進出が続いていないのが現状である。

 ただ新チームは違う。2年生ながら旧チームからエースを担った高橋 昂暉投手がいた。直球の最速は133キロだが、精密機器・ラプソードによる計測で2100回転と質の高い直球を投げられる速球派投手として今夏の大会でも5回戦まで進出。市立柏東海大市原望洋に勝利し、拓大紅陵とも1点差の試合を演じた。

「あれだけできるとは思わなかった」と驚きと手ごたえを十分につかんで、自分たちの世代が始まった。唯一、夏メンバーに入った選手として、新チームでは中心として活躍されることが期待された。

 旧チームはベンチ外だったものの、今年のチームの主将を任された藤間 瑛大内野手(2年)も、「先輩の分も、秋の大会からベスト16を超えるようにやっていこう」と仲間に話していたという。エース高橋のみならず、チーム全体で上位進出への意欲は満ちていた。

 しかし、新チームスタートしてまもなく新型コロナウイルスが部内で出てしまい、思わぬ遅れを取った。練習を再開したのは8月上旬で、予選まではおよそ2週間程度。エース高橋を除いて入れ替わっていたチーム状況を踏まえて「焦りました」と藤間主将は当時の心境を明かした。

 チームの一体感を欠いて心配もされたが、そこは千葉の実力校としてプライドがあった。

 試合を戦っていく中で公式戦の雰囲気に慣れていき、初戦の千城台、代表決定戦の長狭戦とともに2ケタ得点を重ねて予選突破を決めた。

 県大会まで再び時間が空き、この期間でしっかりと調整をして、チームの一体感を高めた。今度は万全の態勢で県大会に臨んでいったが、初戦・千葉黎明には2対4と力が及ばなかった。

 「全体的な力不足です。野手陣はチャンスを作ったものの、あと1本が出ない。投手陣も、高橋以外が不安な状況です。だから春、夏までに力を発揮できるようにやっていきたい」(藤間)

 夏の悔しさをぶつけようと試合を想定して練習をやってきた高橋も、県大会初戦敗退には「やってきたことができなかったり、思っている以上にできないことが多かった」と振り返る。自身は調子が悪いなりにまとめたものの、チーム全体はエラーであったり、アウトの内容が悪かったりと反省を残す一戦となった。