目次

[1]木製バットで本塁打連発 施設面の進化も見逃せない
[2]個々の力、思考力を伸ばす期間と徹底して練習する期間を分ける


 昨夏全国優勝を果たした智辯和歌山。今春の近畿大会でも大阪桐蔭を破って優勝を決め、2年連続の夏の甲子園優勝を狙える戦力になってきたと言っても過言ではない。

 今回はそんな智辯和歌山を訪問した。智辯和歌山といえば色々と強みがある。平成初期から続いた圧倒的な強打、高い投手力、元プロの中谷仁監督の就任で、自主性が高く思考力が高い選手の育成と、さらにハイブリッドなチームへ変貌を遂げようとしている。その取り組みについて迫った。

木製バットで本塁打連発 施設面の進化も見逃せない


 まず、智辯和歌山の強みである圧倒的な強打は、さらに凄みが増している。智辯和歌山の打撃練習を見ると、選手が手にしていたのは木製バット。智辯和歌山に限らず、次のステージで通用する選手になるために木製バットで打たせているチームは見られる。ただ、完成度が違う。

 大会前ということで、打撃練習に入っていたのはベンチ入り選手。木製バットでも殆どの選手が長打性の当たりを飛ばしていた。特に主将で主砲の岡西 佑弥内野手、プロ注目の二刀流・武元 一輝投手(3年)、渡部 海捕手(3年)、山口 滉起外野手(3年)、青山 達史外野手(2年)といった長打力が売りの選手は、スタンドインを連発し、武元、岡西の左打者は右翼方向にある雨天練習場の上部に当てる。スラッガータイプの選手だけではなく、巧打者のタイプの選手もしっかりとコンタクトして、逆方向にライナー性の打球を飛ばすことができていた。

 中谷監督は「グラウンドが狭いので」というように両翼91メートルほどの広さだが、木製バットで打つ練習を行っているチームを見ると、なかなか飛ばない姿を見ているだけに、これほど自分の打撃ができているチームは見たことがない。

 大阪桐蔭前田 悠伍投手から本塁打を打てたのも、またこれまでの試合で好投手を擁するチームから強打を発揮できたのも理解できる。

 ただ、最初はかなり苦労したようで、岡西、渡部、武元も口を揃えて「最初は全く飛びませんでした」と振り返る。ベンチ入り選手の後に、いわゆるBチーム選手の打撃練習を見ると、やはりレギュラー選手とは明らかな差があった。

 どうすれば打てるようになるのか?選手と中谷監督を始めとしたスタッフとの対話を通して、自分が打てる形を追求していくことが要因となっているようだ。武元は「自分は球の軌道に対し、ラインに入れることを意識しています」とそれぞれが自分を打つポイントを持っている。

 また、智辯和歌山の選手たちは体格がいいが、施設面の進化によるところが大きい。プロ入り選手の寄贈により、ネット裏には、本部席が設置された。電気が使えるようになったことで、冷蔵庫や炊飯器を置くことができ、補食の管理がしやすくなった。選手たちが最も使用するグラウンドにそれがあるだけでもかなり違う。

 夏の期間では、練習後のクールダウンとして理由するプールも設置されている。全面人工芝の雨天練習場の2階には多くの器具が設置されたトレーニングルームがある。寮にも、多くのトレーニング器具があり、寮に入っている選手は「しっかりとトレーニングができていいです」と効果を実感する。

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