目次

[1]公立勢では県内屈指の施設。特別仕様の「野球部専用バス」も自慢
[2]打撃センスNo.1の4番塚本、中学時代に選抜チーム経験の1番中曽根らが軸

トーナメント表
群馬大会の組み合わせ


 群馬県の「公立の雄」前橋商は、センバツ3回、夏の甲子園5回の計8回の甲子園出場経験を誇る。近年の群馬県の高校野球は前橋育英健大高崎桐生第一の「私学3強」が牽引するが、前橋商も「打倒・私学」を目指す公立勢として常に上位進出を果たしている。

 昨秋は県準決勝で桐生第一に0対7で敗戦、今春は県準々決勝で前橋育英の前に8対15で敗れ、今チームもここまで強豪私学を前に苦戦が続いている。それでも今夏は2010年以来12年ぶりの夏甲子園出場を目指し、ラストスパートを切っている。公立校では部員数の減少が進む逆境の中、前橋商には今年も新入部員は29人が入り、3学年で88人の大所帯で挑んでいる。

公立勢では県内屈指の施設。特別仕様の「野球部専用バス」も自慢



野球部専用バスにあしらわれたロゴ

 2019年3月に前橋市上佐鳥町(かみさどりまち)に完成した野球部専用グラウンドで練習を行なっている。OB・保護者会の支援もあり、敷地内にはブルペンが5レーン、雨天練習場も備えるなど、公立校の中では充実した施設を誇る。また、公立校では珍しく「野球部専用バス」も保有している。その車体には前橋商OBである漫画家・あだち充さんが特別に書き下ろしたロゴがあしらわれており、野球部の自慢の一つとなっている。

 「OB・保護者会の支援には大変感謝しています」とチームを率いる住吉 信篤監督も語るように、恵まれた環境で日々、甲子園を目指し練習に取り組む前橋商。取材日の練習では大所帯ならではの工夫も見られた。

 シートノック前のボール回しは2球を使い、待ち時間が少なくスピーディーに行われる。途中から塁間にコーンを設置し、動きも加えながら複数のパターンで回していた。そして守備練習でのスピード感の意識はシートノックでも見受けられた。

 シートノックは住吉監督と冨田 裕紀コーチの2人がノッカーを務め、矢継ぎ早に打球が飛んでいく。住吉監督によれば「入部したての1年生は危なくて入れない」というほどのスピード感でノックをこなしていく前橋商ナイン。これは部員数が多いことから、単に待ち時間を少なくするためだけでなく、戦力が揃う強豪私学に勝つためには「実力以上を発揮できる準備」が必要ということで「集中力」や1球1球「勝負」の気持ちを養っていると住吉監督は語る。