メジャーリーガー・鈴木誠也を輩出した東東京の名門・二松学舎。大きく進化を見せるオフの練習に密着
トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
大会特集
・第94回センバツ大会概要
・第94回センバツ出場校一覧
・BIG4特集
・第94回センバツ注目選手【投手】
・第94回センバツ注目選手【野手】
・インタビュー記事一覧
・コラム記事一覧
・2021年秋の大会 上位進出校一覧
・出場校に在籍する日本代表経験者
東東京をリードする名門・二松学舎大附は、今センバツで春夏合わせて10度目の甲子園出場となる。特に14年以降からは、夏4回、センバツ2回と、全国でもトップクラスの実績を誇っている。
OBもロッテで活躍した初芝 清氏や、今季からDeNAの投手コーチを務める小杉陽太氏がいる。現役では、日本を代表するスラッガーで今季からMLBカブスでプレーする鈴木 誠也外野手、巨人の中継ぎで活躍する大江 竜聖投手、期待の2年目スラッガー・秋広 優人外野手、ロッテ新人の秋山 正雲投手がプレーしている。
NPBだけではなく、巨人秋広の兄・涼太内野手が中央学院大の中心選手として活躍。東京ガスの15年の主将でもあった北本 一樹内野手がレギュラーとして都市対抗優勝を経験した。
今回は二松学舎大附の強さに迫っていきたい。
グラウンド環境、寮生活から感じられる美化意識の高さ
布施東海投手(二松学舎大附)
千葉県柏市にある二松学舎大附グラウンドは、二松学舎大附柏高校の校門から入り、グラウンドに向かっていくが、落ち葉がない。市原監督によると、土、日曜日の1日練習の場合、朝8時から1時間かけて掃除を行うという。
練習よりも環境整備の方が大事という方針による。寮の中も非常に綺麗に整っており、当たり前の意識かもしれないが、TPOに応じた服装に対してもきっちりと指導をしている。
身の回りをキレイにすること、服装をしっかりとすることは、一社会人では当たり前なことだが、二松学舎大附では野球以外のこともしっかりと教えこんでいる。
[page_break:冬場の打撃練習でパワーアップ その要因はオフ期間で金属バットを持たない]トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
大会特集
・第94回センバツ大会概要
・第94回センバツ出場校一覧
・BIG4特集
・第94回センバツ注目選手【投手】
・第94回センバツ注目選手【野手】
・インタビュー記事一覧
・コラム記事一覧
・2021年秋の大会 上位進出校一覧
・出場校に在籍する日本代表経験者
冬場の打撃練習でパワーアップ その要因はオフ期間で金属バットを持たない
瀬谷大夢選手(二松学舎大附)
二松学舎大附の選手たちは冬を越えてからの成長が凄まじしい。下位打線の打者からも長打が飛び出し、次々と好投手を攻略していく。その要因は、冬の打撃練習にある。チームの方針で、金属バットを使用せず、1キロ以上の竹バットなどを使用し、とにかくこのバットでスイングスピードを高めることを意識する。取材した1月下旬は、冬の取り組みが始まってから約1ヶ月経っていたが、レギュラー選手だけではなく、秋は控えだった選手も次々と鋭い打球を飛ばしていた。
また、グラウンド奥にあるサブグラウンドでのロングティーでは、今大会注目の強打者・瀬谷 大夢外野手(3年)が他の選手と比べても群を抜く打球を飛ばしていた。
この打撃練習はフリー打撃組とロングティー組(ハンマーを叩く練習も追加)の2班に分かれて、それぞれ1時間以上、打ち込む。市原監督は「この練習は自分との戦い。ここで自主的にやり込める選手こそ、次のステージで活躍できる土台ができ上がります」と語るように、単調ではあるが、意識してやり込めば必ずや上達できる練習メニューとなっている。
大学野球を取材すれば実感できる話だが、こうした基礎練習を1時間ぐらい行うのは当たり前。黙々とこなせる精神力とメニューをこなせる体力が必要となり、二松学舎大附の3年間で、それを培うことができる。
[page_break:主将交代で団結力アップ]トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
大会特集
・第94回センバツ大会概要
・第94回センバツ出場校一覧
・BIG4特集
・第94回センバツ注目選手【投手】
・第94回センバツ注目選手【野手】
・インタビュー記事一覧
・コラム記事一覧
・2021年秋の大会 上位進出校一覧
・出場校に在籍する日本代表経験者
主将交代で団結力アップ
小林幸男主将(二松学舎大附)
昨秋の大会まではエースの布施 東海投手(3年)が主将を務めていたが、大会後から小林 幸男内野手(3年)が主将を務めることになった。練習を見ると、ナインに厳しく、正しい指摘を行い、引っ張る小林の様子が見え、頼もしさを感じる。市原監督も小林のキャプテンシーの高さを信頼している。エースの布施も絶大な信頼をおいている。
「周りにどんどんいってくれるので、頼もしいです。小林は仲間は厳しいことを言ってくれるので、小林が言ったことに対しても、くらいついていっています」
小林も主将としての役割を理解している。
「誰でもものを言えるのは長所だと考えています。そこを任されているのはあるので、思ったことは言って行きたいと考えています」
打撃練習などでも、選手たち同士が励まし合っている。何より下級生が上級生に遠慮することなく、指摘できる雰囲気がある。小林主将は大会後からできるようになってきたという。
「それまでは下級生が上級生に対して遠慮してしまうので、距離感があったんですけど、年齢関係なく、雰囲気が良くなった。チーム的にプラスになりました」
こうしてチームの団結が深まる二松学舎大付ナイン。エースの布施、小林主将はこんな1年にしたいと語った。
「勝ちきれる。チームを引っ張るエースになりたいです」(布施)
「春も日本一を目指していますし、夏も絶対に甲子園に出て日本一を狙いたいです」(小林)
迎えるセンバツ初戦では聖光学院(福島)と対戦。果たして、冬の成果を発揮できるか。
(取材=河嶋 宗一)