目次

[1]直前合宿でアピールした投打の成長株
[2]監督20勝、そして大阪桐蔭へのリベンジ



トーナメント表
浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
ベスト8以上の組み合わせ

大会特集
第94回センバツ大会概要
第94回センバツ出場校一覧
BIG4特集
第94回センバツ注目選手【投手】
第94回センバツ注目選手【野手】
インタビュー記事一覧
コラム記事一覧
2021年秋の大会 上位進出校一覧
出場校に在籍する日本代表経験者

 3月上旬、北信越地区の王者・敦賀気比(福井)は「やきゅうのまち」こと、徳島県阿南市を拠点に直前合宿を敢行。来る初戦・広陵(広島)との注目カードを前に、最終調整を行った。

直前合宿でアピールした投打の成長株


 この時期、敦賀気比のグラウンドは霜の関係で練習が厳しい状況ということもあり、「敦賀では外で1回しか練習ができませんでした」とグラウンドでみっちり練習ができず、徳島県へ移動。取材時点では徳島での練習は2日目だったこともあり、チームを指揮する東監督は選手の状態を見極めているところだった。

 そのなかでも打球の質の変化に東監督は、選手たちの成長を感じていた。
 「打球の質が全体的に良くなってきた。バットにしっかりと当たれば、強い打球が飛ぶようになった。まだまだ追い込む時期ですけど、これからは前から来た球に対してしっかりコンタクトできるかどうかですね」

 主将で投打の要である上加世田 頼希投手(3年)も「見ていても強い打球が打てる選手が増えてきたので、1人1人変わってきたと思います」と打線に厚みが生まれてきたことを実感している。

 昨秋から主力でチームを支えてきた春山 陽登外野手(3年)についてはもちろん、「一番スイングは鋭いですし、誰が見ても凄い打者です」と上加世田も納得の打者であり、センバツでも注目される。

 取材時は、あえて靴を履かずに打席に入ったり、ティー打撃では捕手方向から球を投げてもらって打つなど、創意工夫を凝らしながら、快音を連発させた。スイングの切れは上加世田主将も話すように、頭1つ抜けている印象がある。センバツでも活躍が期待される調子だった。

 ただ、東監督がもっと期待する選手は別にいた。
 「現時点では、濵野 孝教(2年)と伊賀 翔星(3年)は調子がいいですね。特に伊賀については、秋は出ていませんでしたが、実戦練習では7番に起用しています」

 濱野は、神宮大会でも1番打者を任され、5打数2安打と打線の火付け役としては十分な働きを見せた。センバツでもそのまま1番打者として抜擢されそうだが、伊賀は控えメンバーだった。

 オープンスタンスでどっしりと構えたところから下半身主導で振り出していく。引っ張りに強そうな大きなスイングが光る伊賀だが、秋までは練習試合を含めて打率.467と高い数字をマーク。確実性が武器の1つではあるが、積極的にバットを振りに行ける姿勢も見逃せないポイントである。

 さらに取材日の実戦練習で4番に座った高見澤 郁魅内野手(2年)も気になった選手である。
 父である考史さんが元オリックスの選手として知られるが、無駄の少ないゆったりした構えから、軸をブラすことなくシャープなスイングをする。バットを最短距離でミートポイントまで出せる、打率を残せる打ち方で、加えて自チームの主力投手から長打を放つパンチ力も持っている。センバツはもちろんだが、今後の敦賀気比を引っ張っていくであろう主力打者になる予感は十分にあった。

 上加世田主将も2人については「自分でもすごいと思うくらい成長していて、良くなってきていると思います」と驚きを隠せていない様子だった。



清野 仁楽投手

 ただ、野手以上に上加世田主将が大事にしたのが投手陣。「冬の目標は投手陣の底上げだった」と自らに続く投手の台頭をテーマに取り組んできた中で、指揮官の東監督も納得する成長を見せたのが左腕・清野 仁楽投手(3年)である。

 縦回転のフォームからカーブや縦のスライダー系など、曲がりの大きい変化球などを駆使し、全身を使って投げ込む技巧派左腕。上加世田とはタイプが違うため、清野が台頭してきたことは、投手層に厚みが生まれることにつながった。

 「Wエースではないですが、どちらも凄いといわれるようにやってきたので、秋に比べて成長したと思います」と上加世田主将が話せば、東監督も「上加世田と清野が投手陣のポイントになると思います」と2本柱で活躍してくれることに期待を寄せていた。