目次

[1]疲労残す主将に代わる副主将・津田が新チームを牽引
[2]甲子園の舞台でエースを投げさせる

 今夏の甲子園では強豪校を次々と下して、20年ぶりの4強入りを果たした近江。新チームでも投打で活躍を見せた山田 陽翔(2年)を筆頭に滋賀県勢初の全国制覇を狙えるメンバーが揃っている。今回は大躍進となった夏の甲子園の振り返りと新チームの展望について取材した。

 後編の今回は甲子園準決勝、そして新チームの歩みや戦力について迫っていった。


前編はこちらから!
大阪桐蔭から漫画でも書けない勝利 近江ベスト4までの軌跡

疲労残す主将に代わる副主将・津田が新チームを牽引


 準優勝した2001年以来、20年ぶりのベスト4入りを果たし、初の頂点が見えてきたが、過密日程で戦ってきた選手の体が限界だった。岩佐は準々決勝で右肘を痛めて準決勝は登板できず、智辯和歌山に1対5で敗戦。山田も甲子園でのダメージが大きく、ここまで秋の大会では登板していない。

 近江は彼ら以外にも副島 良太外義 来都星野 世那の2年生左腕が控えていたが、彼らを起用することは容易ではなかったと多賀監督は話す。

 「総合的に考えた時に山田、岩佐と他の3人では相当な差がありますよね。甲子園で投げるということは、地方大会とは違う独特のものがあって、地方大会の1球が5球分、10球分に相当する疲労度があるんじゃないかなと今回思いましたね。岩佐はそんなに球数は投げていないですけど、1球が10球、場合によっては20球に感じていましたよね」

 甲子園は独特の雰囲気の中で、強力な打者と対峙するため、投手にかかるストレスは他の試合よりも強い。こうした背景を考えた時に山田、岩佐以外の投手で乗り切るのは難しいというのが、多賀監督の判断だった。

 だが、結果的に副島と外義は甲子園のマウンドに上がり、星野も外野手として出場することができたのは、新チームになってから活かされることだろう。

 甲子園から地元に戻ったその日、「彼の性格からしても主将にして、今まで通りチームの柱としてやっていくのが一番いい形かなと思った」と多賀監督は新チームの主将に山田を指名した。

 しかし、山田は甲子園のダメージを考慮して、全体練習からは離れていた。その代わりに存在感を示しているのが、副主将の津田だ。前主将の春山以上に生真面目な性格でチームを引っ張っており、練習開始時間が以前より10分早くなったという。多賀監督は津田に対して、日常の練習や生活を引っ張る役割を期待していたが、ここまでは指揮官の予想を上回る働きぶりを見せている。

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