目次

[1]育成の肝はしゃべくりをしっかりやること
[2]自分たちのギアで浦和学院に挑む


 全国各地で2年ぶりの夏の大会が始まっている。全国屈指の埼玉県も9日より開幕した。今大会は、7年連続で甲子園に行けるか期待のかかる花咲徳栄に、春の県大会王者である浦和学院の2強が優勝候補として大会をリードしつつある。その浦和学院と初戦で激突するのは、県内屈指の強豪・聖望学園だ。

育成の肝はしゃべくりをしっかりやること


 今大会最注目カードの実現となり、「初戦から山場だから、そこにピークを作らなあかん」と聖望学園の名将・岡本監督は話す。聖望学園といえば千葉ロッテで活躍する鳥谷 敬さんをはじめ数多くの選手を輩出している。それだけではなく、選抜での準優勝と全国での実績もある名門校で知られている。

 だが今年は苦戦を強いられている。秋は県大会まで勝ち進んだが2回戦で敗れ去った。そして春の大会は西部地区予選で入間向陽に負ける悔しい結果に終わっている。そんな今年のチームを岡本監督は真剣なまなざしと口調で、「メンタルが弱い」と一言で表現する。ただその理由は、不可抗力によるものだった。

 「今の3年生は、今年と一昨年の冬を経験できていないんですよ。昨夏の大会も3年生主体で戦ったから経験者がいないんです。本来なら夏を経験しているメンバーがいるはずなのに、その選手が今年はいない。だから卒業した3年生が可哀そうだと思っていましたけど、今の選手たちは、違う意味でもっと大変だと感じています」



聖望学園・岡本監督

 秋の大会で2回戦・川口の前に敗れた聖望学園は、逆襲の春へ本来であれば練習に打ち込むことで、技術だけではなく精神力も磨くはずだった。だが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、年明けから3月まで活動自粛を余儀なくされた。

 加えて学校生活はリモート授業を実施していたため、登校することがなく結果として選手たちの集まる場がなかった。「自主練習になるなど思ったような練習は出来なかったですし、チームワークという面でもマイナスでした」と小林 蒼汰主将も自粛生活に戸惑いを感じていた。だが、岡本監督はそれ以上に選手指導という面において、活動自粛が障壁となっていた。

 「リモートで学校に選手たちが来ないから、ミーティングはもちろん全く選手たちと会話ができなかった。そんな状態で春の大会までチームを作って入ったけど中途半端なままで自信を持つどころか不安があって。だから春は最終回に7点も取られんねん」

 岡本監督は選手への指導で大切にしていたのが、会話のキャッチボールをすること。つまり対面でのコミュニケーションをとることなのだ。

 「中学時に比べて自由なところが多いので、やりやすい」と山本が話せば、小林主将は「指導者とのコミュニケーションは中学の時より増えました」と岡本監督の距離の近さを感じている様子だった。

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