目次

[1]指揮官直伝の「キャッチ」で打撃改善
[2]準備の重要さ胸に、秋春の屈辱を夏に晴らす


 栃木が誇る全国クラスの戦績を残す名門といえば、作新学院だろう。2016年の夏の甲子園では全国制覇を達成しており、夏の栃木大会は9連覇を達成。県内では無類の強さを発揮し、今大会も優勝候補として注目が集まる。その牙城を崩す候補の1つが、文星芸大附だ。

指揮官直伝の「キャッチ」で打撃改善


 野球部専用グラウンドとなる秀文記念スタジアムの入口には、これまでの甲子園出場回数に合わせた12個の記念物が建てられている。実績は県内有数であることが十分に伝わってくるが、西武や巨人で活躍した片岡 治大さんを輩出するなど選手育成でも結果を残している。作新学院に負けず劣らずの県内の名門校だ。

 現在、チームの指揮を執っているのは2年前から監督に就任した高根澤 力氏。同校OBであり、日本大学、三菱ふそう川崎で現役を継続。特に日本大学時代には、稲葉 篤紀氏や岩瀬 仁紀氏、谷 佳知氏とともに日の丸も背負った経歴を持っている。

 そんな高根澤監督が作りたいのは打力あるチーム。元々、文星芸大附は攻撃力の高いことで昔から知られている。つまり、伝統を継承するためにも高根澤監督は社会人時代に教わった練習を、文星芸大附の土台としている。

 「基本となるキャッチと呼ばれるティーバッティングがあります。これは入学した時は全員必ず覚える基本動作で、これがあって今のバッティングがあります」(佐藤 真也主将)

 チームをまとめる佐藤主将がそこまで話すほど、チームのベースとなっているキャッチと呼ばれる練習。その目的や方法は以下の通りだ。

【目的】
バットの芯でボールを捉える感覚を覚えるため

【方法】
バットを短く持ちバットの芯にミートさせやすい状況を作ったうえで、2種類のメニューを実施する。

 1段階:しっかりと捉えるだけではなく、ライナー性の打球を飛ばすようにボールをミートさせる。この時、よりよくインパクトまでに内側からバットを出しながら、どう速く振るかを意識する。

 2段階:1段階ではミートさせるまでだったが、2段階では振り切るまではやらず、少しだけボールを押し込む。その際に押し込む際に手をこねると切れる打球、ボテボテの打球になるので、そのまま押し込むことがポイント。

 動画内でも練習方法を紹介しているので、実際に見ながら確認すれば、よりイメージしやすいだろう。そんなキャッチをやらせる意味を高根澤監督はこのように話す。

 「どんなパワーがあっても、スイングスピードが速くても、芯に当ててあげないと打球は飛びません。またどんなボールでもこねてしまうと力は伝わりません」

 「もっといえば甲子園で打ち勝つためにも、全国クラスの投手のボールに負けない正しいインパクトを覚えないといけません。正しく強いインパクトを覚えるために、教えています」

 チームの主力となっている高校通算8本塁打の福田 夢羽斗は「追い込まれてからのバッティングはウリですが、それはキャッチのおかげだと思っています」と効果を実感。また沼井も「ドアスイング気味だったスイングを修正できたこともあって、打球が切れることなく飛距離も打率も向上しました」と打撃が大きく改善されたようだった。

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