目次

[1]映像を用いて目標を可視化させる
[2]勝負所で結果を残し、夏の大会を勝ち抜く


 7月3日より東西東京大会が開幕した。今年はオリンピックの開催に伴い、準決勝から東京ドームを使うなど、例年にはない特別な大会となる。東京ドーム、そして甲子園を目指す戦いが都内で7月中に繰り広げられていくなかで、どこよりも球場にアーチを描くのではないかと思われるチームが東東京のノーシードにして、昨夏8強入りした実践学園だ。

 前編では実践学園独自の打撃理論に迫ってきたが、後編ではチーム内の取り組みやここまでのチームの歩みなどに迫っていく。

前編はこちら
フライボール革命児たちを擁して8強の壁に挑む実践学園【前編】

映像を用いて目標を可視化させる


 自主練習を充実させるのに役立っている1つのアイテムがあった。それが沢里監督オリジナルの比較動画だ。
 これは選手それぞれが習得したい動きに合わせて、沢里監督がプロやメジャーの選手の映像と比較できるものを作成。もしくは少し前の自分との比較動画を作ることで、成長点を確認するというものだ。

 「動画編集に個人的に凝っているんです(笑)」と沢里監督は前置きをしながら、映像を活用することの重要性をこのように話す。
 「現役時代から、教わったこととプレーの様子を映像で撮影すると、イメージがかけ離れていることが感じることがあったんです。だからいつも『実際のところどうなっているんだろう』と考えていました。そこで映像を撮って可視化すれば一目瞭然なので、選手たちにはレベルアップできる材料として比較映像を提供するようにしています」

 林 昌勇の投球フォームを比較動画に使っているという菅沼は、「比較動画で目指す目標がはっきりしているので、自主練習のメニューもすぐに決められる」と効果は絶大。作成している沢里監督のなかでも「可視化できていることで吸収しやすいので、成長速度も速いです」と手ごたえは十分だった。

 こうした取り組みをしている実践学園だが、秋は東海大高輪台の前に4対11。「選手個々の能力は高い」と自信を持っていた吉村主将だが、思うような結果には結びついていない。沢里監督も「接戦になると思いましたが、点差が開いてしまった」と反省。同時に春以降に向けては「打てないと勝てない」と目標を明確化させ、冬場の期間はトレーニングと打撃に特化した。