目次

[1]二松学舎大附に2度負けるも、確かな成長を感じた
[2]個人練習で培ったスキルを少ない全体練習の場で発揮する

個人練習で培ったスキルを少ない全体練習の場で発揮する



福岡 元翔

 自主練習メインの練習方針のメリットを実感している選手たち。藤田監督は個人練習を重んじる理由と、全体、個人の練習の位置づけを次のように語る。

 「全体練習では、試合で必要とされる一発勝負の場面で、きっちり活躍できるようなスキルを磨くことが出来ると思っています。ですが、その方法はあまり多くないです。だからこそ全体練習から1球に集中するべきですし、ダラダラした空気でやっていては、上達は難しいでしょう。

 ですので、自主性を重んじる意味でも、全体練習を短くかつ少ない時間にする。代わりに個人練習を増やして、個人がその時間を使ってスキルを伸ばす。その成果を全体練習の場で発揮する。それで結果が残せないなら、もう一度個人練習に立ち返って、基本をしっかりと修得する。このメリハリをもって徹底的に繰り返すことが、選手を成長させるためには大事だと思っています」

 福岡主将も「個人練習は、全体練習で結果を残すための準備段階です」と自身のなかでの個人練習、全体練習の位置づけを語れば、エース・前野は「全体練習をやる機会は周りに比べると少ないので、試合だと思って緊張感をもって取り組むようにしています」と全体練習の短さが、より実戦を意識させることに効果を発揮していた。

 こうした練習方針で懸念されるのは、選手の意識の差で練習の質が変化すること。高い意識を持つ選手は、個人練習といえどしっかりと練習に取り組める。逆に、意識が低ければ練習の質は下がる。佼成学園の練習を見ていれば、そんなことは微塵も感じられなかった。

 「僕の場合は1学年先輩の、平澤(燎)さんや、森(士恩)さんから『エースを奪うんだ』と思って下級生からやってきましたし、今は2人のような先輩になれるように練習をしています」(前野)

 「目的がなければだれてしまいますので、同じ目標を持った仲間と練習をして、刺激をもらっています。同じことを考えていれば練習する時にアドバイスも送りやすいですし、いい方向に進んでいけると思っています」(福岡)

 選手それぞれの中で、目指すべきゴール。そして支え合う意識の高い仲間の存在。これが揃っているから、佼成学園は個人練習をメインにしてもチーム力が高い。そして毎年、激戦区・西東京でも勝ち抜く組織が形成されているのだった。


(取材=編集部)

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