目次

[1]効率化された県立岐阜商の打撃練習
[2]素振りから始まる140キロ越えの道


 2年連続で東海大会準優勝に輝いた県立岐阜商。春夏合わせて57回の甲子園出場という実績をもつ高校野球界の名門校として、今もなお存在感を放つ。そんなチームを指揮する同校OBにして名将・鍛治舍巧監督。大会屈指の強力打線と呼ばれる県立岐阜商は初戦で小園 健太擁する市立和歌山と対戦する。ではどんな練習法で強化しているのか。

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1週間で600球。140キロ投手揃いの県立岐阜商の投手陣が実践する投げ込みの真意とは

効率化された県立岐阜商の打撃練習


 バッティング練習の様子を見ると、ゲージは5か所と公立校とは思えぬほどの充実ぶり。1ヶ所あたり10球で交代していく形でバッティングを回すが、1ヶ所ずつ工夫が凝らしてある。

■手投げ(2か所)
ピッチャーとの距離は10メートル程度。そこからある程度の力加減でボールを投げてもらい、体感スピードで150キロ程度になるように実施することで速球対策をしている。

■マシン打ち(変化球)
こちらの距離も10メートル程度の位置にセッティング。右と左それぞれスライダーに設定するが、あえて正面から横に外した位置からボールを投げ込むことで、大きな変化を実現させて対応力を磨いている。

■マシン打ち(真っすぐ)
ここだけ15メートルの距離に設定するが、手投げの2か所同様に体感速度では150キロを感じられるようにマシンを調整して、速球への対応力を磨いている。

 これが県立岐阜商のフリーバッティングになるが、これが終了したら最後は『1本打ち』と呼ばれるメニューに入る。各ゲージ1球勝負で、合計で30打席立つ。手投げに関しては変化球も混ぜる実戦形式で行われ、打球を見て待っている選手がアウトかヒットか判定。

 それらの結果を、練習を見守る鍛治舍監督に報告する流れで、打撃練習を終える。待っている選手からはプレッシャーをかける声が飛び、ゲーム性のなかにも試合さながらの緊張感が漂う。

 実際に高校通算17本塁打の髙木 翔斗もこうした練習を通じて、「対応能力は磨きがかかったと思います」と効果を実感。強打の県立岐阜商は効率化の中に試合感覚を磨くことで、成立していたのだ。