目次

[1]地域の方々に納得してもえる試合を
[2]選手たちに慢心は絶対無いく


 昨秋、九州大会を制した長崎県・大崎。離島にしてつい3年前までは部員は僅か5人、さらに初戦が九州大会決勝の再戦となる福岡大大濠に決まったことなど、話題づくしの選抜甲子園初出場となった。

 だが清水央彦監督をはじめ、選手は皆どこか俯瞰したように「谷間の世代」、「ここまで行けると思ってなかった」と口にする。その真意、そして選抜甲子園での戦いを彼らはどのように考えているのだろうか。

地域の方々に納得してもらえる試合を


「この冬は打撃が課題でした。かと言って、ピッチャーもボールに力があったかと言えばなかったですし、秋は試合運びの上手さで勝ったと思っています。やっぱり勝つ野球というより、負けない野球をしないといけません」

 そう語るのは、2018年に監督に就任した清水央彦監督だ。
秋季九州地区大会を制した大崎だったが、その内容を見ると接戦の連続だった。初戦の開新戦こそ9対2と点差をつけて勝利したが、準々決勝の延岡学園戦、準決勝の明豊戦といずれも終盤の逆転劇で3対2と接戦を勝ち抜いた。

 決勝の福岡大大濠戦こそ、相手エースの毛利 海大が登板を回避する中で、打線が繋がり5対1で勝利したが、打撃力、守備力、投手力のすべてにおいてパワーアップしないと、選抜甲子園はおろか、夏の甲子園も厳しいと危機感を滲ませる。

「ここまでは、打球はある程度飛んでるなと感じています。ピッチャーもボールが強くなりましたし、選抜もそうですが夏に向けても多少は可能性が出てきたかなと感じています。
正直、力のあるチームではないのですが、選抜も夏も頑張れるかなと多少は見通しは立ったと思います」

 チームの戦力に関してはどこまでも控えめな指揮官であるが、その中で唯一口調を強めて選抜への思いを語る場面があった。

 応援してくれる地域の方々についてだ。
学校のある西海市大島町は、人口約5000人の小さな島。選手は全員が長崎県出身選手だが、普段は寮生活を送っており地域に支えられながら野球に打ち込むことができている。地域の方々に納得してもえる試合をすることが大崎にとって一番の使命と考える。

「うちは地域の色んな方から応援されてやっているチームです。それに対して、納得できるような試合をしないと駄目ですよね。もちろん勝つのは一番いいと思いますが、勝てなくても応援した人に恥かかせるような試合にしてはいけないと思ってやっています」