目次

[1]練習を省くという決断
[2]先入観をなくし、地域に愛されるチームを作る

 春夏合わせて7度の甲子園出場経験を誇る福知山成美。OBでは島本 浩也(阪神)と桑原 将志(DeNA)が現役のプロ野球選手として活躍している。

 現在は新型コロナウイルスの影響で練習を制限されている高校が多いが、福知山成美も例外ではない。練習時間は1日2時間以内という制約があり、取材日はいくつかの班に分かれて練習を行っていた。

 だが、福知山成美は元から練習時間が比較的短いチームであり、授業のない日でも全体練習が半日で終わることが多い。コロナ禍において比較的影響を受けなかったチームであるとも言えるだろう。


練習を省くという決断


 チームを率いるのは2014年に就任した井本 自宣監督。同校(当時の校名は福知山商)のOBで1997年から指導に携わっている。田所 孝二前監督(現・岐阜第一監督)の指導方針を引き継いでいる井本監督は「練習は増やすことよりも省くことも多いですね」と話す。

 京都府北部にある福知山成美は気温が低くなる冬に雨や雪が降ると、グラウンドの回復に時間がかかる。こうした事情もあり、冬場はノックを一切行わない。野手はキャッチボールさえ省いて、打撃練習と体力強化に注力する日も珍しくないという。大胆な練習内容にも思えるが、短い練習時間で強化をするためには割り切りが必要だと井本監督は話す。

 「高校生は技術的に足りない部分が多いので、どうしても色んな事をしたくなるんですけど、割り切るようにしています。伸ばさないといけない部分を重点的にやって、足りないけど目を瞑るところもあります」

 近年では長時間の練習が問題に挙がることが多いが、それは「やらない」という選択をする勇気がないからではないだろうか。井本監督は「まだまだ足りない」という現実を受け入れた上で練習を省くという決断を行っている。全体練習だけで足りない部分は各々が自主練習で補っているため、春先になって守備の勘が鈍ることということもないそうだ。