目次

[1]互いの助け合いが光る今年のチーム
[2]激しい競争を経てチーム力を高める


 秋の近畿を制したのは強打の智辯学園西村 王雅小畠 一心前川 右京といった経験者をはじめとした戦力で頂点まで勝ち上がったが、公式戦で唯一白星を挙げたのがライバル・天理だ。

 中村 奨吾太田 椋といったプロ野球選手も輩出する全国屈指の名門校である天理。現役時代は主将として全国制覇を経験した同校のOBにして元プロ野球選手の中村良二監督の下、今年のチームはいかにして近畿大会8強までの結果を残したのか。

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名門・天理はなぜ投票制、効率化を重視しながらも全国の舞台へ行けるのか【前編】

互いの助け合いが光る今年のチーム


 投票制でベンチ入りメンバーを決める取り組みをして5年目となるが、「1つ1つ集中して取り組んでおり、やらされている選手は減ってきた」と感じ取っているという中村監督。それは選手間の中で『いつでもチャンスがある』と感じているからだと分析する。

 「だれに投票すればいいのかわかるためにも、練習試合では偏りなく頑張っている選手を起用するようにしています。だから周りのチームよりも出場数は減るかもしれませんが、周りのサポートにつくことで違う視点から見られますし、投票権があると指導者目線で見られるので、責任感も増していくと思っています」

 そうした取り組みをしながら毎年チームを作ってきた中村監督に今年のチームを伺うと、「不思議なチームでした」とコメント。今年の3年生と比較すると力は劣っているものの、練習試合でも負けた試合は1、2回程度。ほとんどが勝利だったが、その勝ちパターンの中心には達 孝太の存在が大きかった。

 「練習試合でもほとんど抑えていて、なおかつ奪三振率も高い。なので、守っていて安心できたのか、先に点数を取る。もしくは取られても取り返す余裕がありました。お互いの信頼関係の中で戦えたと思います」

 打線の中軸を担う瀬 千皓も中村監督同じことを感じ取っていた。

 「達がいますが、いつかは打たれます。ですので、野手陣はいつも助けてもらっている分、困っている時には助けられるように声を掛け合っています」

 しかし今年のチームは打力の低さが課題であることを内山 陽斗主将は感じ取っている。

 「打力の低さは自分たちも自覚しており、監督も言われていたことでしたので、達を中心とした守備と細かな走塁を意識して夏休みは過ごしてきました」