目次

[1]練習不足の中でも負けなかったことは評価
[2]一番大事な練習は一番最初にやる


 これまで計5度の甲子園出場実績がある國學院栃木。過去には小関竜也氏(元西武など)や渡辺俊介氏(元ロッテなど)など4名のプロ野球選手も輩出しており、この秋は秋季栃木県大会優勝を果たした。

 秋季関東地区大会でも準々決勝に進出し選抜甲子園出場の可能性を残すが、柄目直人監督は「今のままでは夏に勝つことはできない」と危機感を強める。國學院栃木もご多分にもれず、活動自粛期間の影響で十分に練習が積めていなかったためだ。

練習不足の中でも負けなかったことは評価


 活動自粛期間が全国の高校に大きな影響を与えたことは言うまでもないが、國學院栃木にとってことさら大きなものとなった。学校が再開したのは6月1日で、一学期の終了は8月10日までずれ込んだ。夏休みは8月11日から19日までの8日間しかなく、20日からは二学期がスタート。練習不足は明らかだった。

「このような状況になってしまったのはもうしょうがないことので、選手にも質を上げるしかないよねと話をして、あれこれやるのではなく、足し算はせずに引き算にならないようにやることを決めました。それが結果的にとても良かったのかなと思います」

 秋季栃木県大会の序盤は接戦が多かったが、柄目監督は「単純にあれがうちの力だった」と冷静に分析する。1回戦の鹿沼戦では8対6と打撃戦を何とか制し、2回戦の那須拓陽戦も4対2と接戦になった。3回戦は小山と5対4と激戦を演じたが、苦しみながらも何とか勝利を掴んだことでチームに徐々に自信が生まれていった。

「力を出し切る中での接戦でしたが、評価できるのは負けなかったことです。特に1、2回戦は負ける展開でしたが、負けなかったことで勢いがついたと思います。結果的にノーシードだったこともプラスに働き、本当の意味で100%チャレンジャーとなって試合に臨めたことも彼らの不安を緩めたと思います」

 これで勢いに乗った國學院栃木は準々決勝では佐野日大を相手に14対7と押し切り、準決勝でも青藍泰斗を9対4で撃破。決勝戦では石橋と接戦になったが、見事なサヨナラ勝ちで3年ぶり6度目の優勝を手にした。

 「彼ら自身では成長を感じていないみたいでしたが、自信にはなっていると言っていました。客観視できる人間がいれば実感もできたと思いますが、彼らは成長したと思います。日に日に不安の風船が小さくなっていき、表情や顔つきも良くなっていきましたね」

 今年のチームの中心は、4番で遊撃手最上 太陽に、5番・二塁手を任される関 凜斗だ。共にチャンスに強い打撃が持ち味で、特に最上は決勝の石橋戦でサヨナラ打を放つなど非常に勝負強い打者だ。秋季大会は打順が固定できなかった中で、最上と関は中軸に座り続けた。春以降も中心選手として期待されるだろう。