目次

[1]選手にとって意外だった中沢匠磨の主将就任
[2]「ボールを飛ばす力」と「ボールを捉える力」を鍛える


 旧校名の足利学園時代に2度、白鷗大足利になってからも2度と計4度の甲子園出場の実績を持つ白鷗大足利北浦 竜次投手(日本ハム)や大下 誠一郎選手(オリックス)といったプロ野球選手も輩出しており、栃木県内では常に上位進出を狙える位置につけてる。

 だが夏はここまで作新学院に9年連続での甲子園出場を許しており、この秋も準々決勝で青藍 泰斗に1対3で敗れるなどあと一歩のところで壁を破ることが出来ていない。新チームの戦力と現在地、そして夏への思いを伺った。

選手にとって意外だった中沢 匠磨の主将就任


 栃木県足利市・渡良瀬川沿いの河川敷グラウンドで練習を行っている白鷗大足利。同校のOBであり、社会人野球の七十七銀行でもプレーした藤田 慎二監督の下、2学年で合わせて30名の選手たちが練習に取り組んでいる。

 藤田監督は就任直後の2008年夏、2014年の春と2度の甲子園出場に導いた。2014年の第86回選抜大会以来の甲子園出場を目指すが、夏からスタートした新チームは試合経験の少ない選手が多かった。チーム作りもこれまでとは違うアプローチを試みたという。

 「例年、キャプテンは選手たちで話し合って決めていましたが、今年に関しては私が中沢 匠磨でいくと決めました。突然のことで選手たちは驚いていましたね。私が決めたこともそうですが、彼らがイメージしていた選手では無かったと思うので」

 中沢は本来であれば、4番・投手としてチームの大黒柱になるべき選手。この秋は怪我で代打での出場のみだったが、最速142キロの力のある直球と長打力が魅力だ。

 だが、藤田監督曰く「周りは気にせずに、自分のことに集中するタイプ」で、最後まで残って練習に打ち込むようなタイプでも無かった。実際、中澤自身も「まさか自分が指名されるとは思っていなかった」と話しており、選手たちにとっても意外な指名だった。

 藤田監督は自身のキャプテン経験を踏まえながら、中澤を主将に指名した経緯を説明する。

 「中澤は投打で力がある一方で、グランドを離れると抜けているところがあり、彼のためにももう一皮剥けて欲しい思いがありました。また私も小中高大社会人と、ずっとキャプテンをやらせていただきましたが、キャプテン一人では何もできません。いかに周りにブレーンがついて、キャプテンのことを理解して他の部員に伝えてくれるかが大事と思っています。中には強烈なリーダーシップを発揮するタイプもいますが、私は前者のタイプで中澤にもそうやってチームを引っ張って欲しい思いがありました」

 かくして中澤を中心とし、新チームはスタートした。

 だが想定していた通り、実戦では試合経験の無さが如実に表れて秋季大会では苦戦を強いられることになる。