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第114回 帝京出身の監督が伝え続けてきた「這い上がる精神」。狭山ヶ丘が地区予選初戦敗退から真の下剋上を果たす。2020年12月02日

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 今年の埼玉独自大会で快進撃をつづけ、初優勝を飾った狭山ヶ丘(埼玉)。しかし半月後に開幕した地区予選では初戦敗退を喫した。捲土重来を期する選手たちの想いに迫る。

自分たちには基礎固めしかない



初戦敗退の悔しさを語る小山 秀斗主将

 「同じミスで負けているんだよ。今も同じミスだよ。それが出ているんだよ。試合のプレーに!」

 シートノックに選手たちのミスが続くと、小山 秀斗主将が強く選手たちを引き締める。また練習後にも小山は選手を呼び出して話し合う。まるで小山が選手の上司のような関係だ。

 その姿勢に帝京出身の平澤 智太郎監督も「先頭に立つ選手の理想像はチームメイトの欠点、ミスに対して目をつぶってはいけないものだと思っています。小山は前チームの主将・正高(奏太)をしっかりと見ていて、指摘が出来る選手」と全幅の信頼を置く選手だ。

 小山は地区予選敗退の悔しさを忘れられない。初戦の県立川越戦では味方のエラーや、拙攻、投手がコントロールを乱すなど、2対4という2点差以上に内容の悪さが目立った。

 「誰よりも秋の大会にかけていて、勝ちたかったんですけど、結果は負けてしまって悔しくて、応援してくださった方、監督さん、先輩方に申し訳ないことをしてしまったなと気持ちの整理がつかなかったです」

 県立川越戦の試合後の様子は、夏の大会が終わったような悔しがりだった。そこから小山を中心にミーティングを重ねた。野球面、生活面に甘さがないか、とことん話し合った。

 まず狭山ヶ丘ナインが見直したのは攻守の基礎だ。月並みの言葉かもしれない。狭山ヶ丘を取材したのは秋の大会が終わった1週間後。練習試合を含め1勝もしていなかった。同時期に狭山ヶ丘の公式戦と強豪校の公式戦を見る機会があったが、投球、守備、打撃と基礎的な部分が大きく劣っているように感じられた。無論、その重要性は狭山ヶ丘の全選手が理解をしている。

 狭山ヶ丘はキャッチボールから時間をかけて行う。内野手は素早い持ち替えから実戦を意識して投げる。投手は実戦に近い状態で、しっかりと投げて、胸元に強いボールを投げる。このサイクルを繰り返し行う。

 そしてシートノックは1つ工夫を凝らしている。ノックを観ると、全員グラブを横向きで捕球しているのがわかる。これは一見、逆シングルで捕球する練習に見えるが、捕球態勢を整える練習だという。主将の小山が説明する。

 「秋の大会を振り返ると、腰が高くなってしまって、ボールを落とす事が多かったので、それが負けにつながるので、基礎の形にして、ボールに対して目線を低くすることを心がけています。この練習は外野も行います」

 もちろん逆シングルではない姿勢で捕球するノックもあるという。この形のノックは例年どおり行われており、この夏、独自大会で優勝したチームもこうした基礎の積み重ねから堅い守備を築いていた。

【次のページ】 1番になるには、相応の練習量と意識改革が必要

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