第105回 二俣翔一などタレントを輩出しつづける磐田東(静岡)の課題2020年11月20日
潜在能力は高い選手ばかり

佐野 立真主将(磐田東)
春の躍進へ向けて練習を重ねる磐田東ナイン。佐野主将は現状のチーム状況についてこう語る。
「まず秋の大会は、得点も多かった試合もあったんですけど、相手のミスに助けれた部分もあり、つながりの面で物足りなかったです。
西部大会(地区予選)で負けた試合など、結局、普段、たくさん点をとっても、0点が続くと点が取れない試合がありました。厳しい言葉ですが、自分も含めて、誰かが流れを変えようという選手がいないので、全員で流れを変えていかないとよくなっていかないと思います」
主力選手としてどれだけ自覚を持ってできるか。佐野主将は選手たちに訴えかけている。佐野に続き、副主将の植田は「声掛けも、ミスがあった時に『おい』といって終わるのではなく、なぜミスが起きたのか?そういったことを具体的に説明できるようになっていければチームの意識も高くなっていくと思います」。
意識を変えれば、着実に上位進出から見える選手層を持ったチームということだ。投手陣では最速139キロ右腕の水野 琉唯、安定感の高い好右腕・冨田 優吾も135キロ前後を記録する。
打線では植田、岡野 裕一郎の2人が中心。植田は東邦で活躍した植田 結喜(東海大)の弟。左腕の兄と違って弟は180センチ超えの大型遊撃手だ。「自分の取りやすいタイミングデ構えを工夫していたら、自然とそうなった」と答えるようにオープンスタンスで重心を低くして構える独特の構えから鋭い打球を次々と飛ばす。遊撃守備を見ても動きの良さが光る。植野も180センチ超えの大型一塁手で、フォローが大きいスイングで鋭い打球を飛ばす。
しっかりと噛み合っていければ、楽しみなチームだろう。そして佐野主将はこう決意した。
「まずはどんな形でも甲子園に出るのが1つの目標であって、自分たちは性格的にも、心のコントロールができていないところが冬鍛えて、とれるところで点をつないで1点をとる。 投手を中心に少ない失点で抑えて、打って勝てるように、この冬に鍛えていきたいと思います」
全体練習が終わっても黙々と自主練習に取り組む磐田東ナイン。ぜひ春、夏には上位チームを脅かすチームになることを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)

- 編集長 河嶋 宗一
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