折れた木製バットを活用した驚きの練習の狙い

短いバットを使いトスバッティングにも取り組む
練習内容にも目を見張るものがあった。それは短いバットを使って打撃練習を行っていたことである。折れた木製バットを活用し、根っこの部分を持ってバットを操作している。以前はバント練習や片手でのティー打撃で取り入れていたが、この新チームからはフリー打撃でも短いバットを使用することになった。その理由を上羽監督は次のように説明してくれた。
「ボールを引きつけて、自分のポイントに持ってくる。要はボールを追いかけないことを意識づけさせたいんです。短くバットを持っていると、自分の近くにボールを呼び込もうという意識が持てるので、そこは変わった気がしますね。粘っこいバッティングができるようになったと思います」
バットが短いと、体の近くまで引き付けなければ、ボールに当てることができない。以前は外に逃げていくスライダーに振らされる主力打者があったそうだが、それも徐々に改善傾向にあるという。
ちなみに短いバットでフリー打撃をすると、当然だが、普通のバットよりも打球は飛距離が出ない。しかし、ドラフト候補になった山下 航汰(3年)は短いバットでも長打性の当たりを連発していた。
残念ながらドラフト会議では指名されなかった山下だが、高い打撃技術には定評がある。短いバットで打球を飛ばすコツとして、「体の使い方とバットを通す角度だと思います」と解説してくれた。バットを上から出すのではなく、下からすくい上げて、ボールに乗せるような角度でバットを出せば、遠くに飛ばせるのだという。短いバットは正しい打ち方を身に付けるために役立つアイテムになっている。
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11年ぶりの聖地へ!京都外大西の再浮上のカギを握るのは我慢強さ【後編】
(記事=馬場 遼)
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