第1048回 潜在能力の高い主力が抜けて心機一転の福岡大大濠。目指すは「納豆のように粘り強い野球」2020年10月16日
【目次】
[1]主力の3年生が抜けてゼロからのチーム作り
[2]バッテリーを中心に戦い福岡県のチャンピオンに
福岡大大濠の新チームに密着

福岡県チャンピオンを目指し練習に励む福岡大大濠ナイン
これまで計7度の甲子園出場の実績があり、2017年に出場した選抜甲子園ではベスト8進出を果たした福岡大大濠。当時の中心選手だった三浦 銀二投手(法政大)、古賀 悠斗選手(中央大)などは大学野球でも活躍を見せており、今年もドラフト上位候補の山下舜平大投手を擁するなど、近年はレベルの高い選手を輩出し続けている。
この夏の福岡地区高等学校野球大会は、決勝で惜しくも福岡に延長の末敗れたが、新チームは甲子園に向けて気持ちを新たにスタートした。チームの現在地に迫った。
主力の3年生が抜けてゼロからのチーム作り

山下舜平大(取材日の数日前に合同練習会を終え、グラウンドにて調整を行なっていた)
大石 達也氏(元西武投手)や川原 弘之投手(福岡ソフトバンク)、濱地 真澄投手(阪神)など、これまで10名のプロ野球選手を輩出している福岡大大濠。
この夏を戦った3年生にもドラフト上位候補の山下 舜平大投手や山城 航太郎選手、深浦 幹也選手など、潜在能力の高い選手が揃っていたが、レギュラーの大半が3年生だったため、新チームは経験のある選手が少ない中でスタートした。
「主力だった3年生が抜けたのでゼロからのチーム作りになります。その中でまずは守ることから始めようと選手たちには話して、守備力に重きを置いてスタートしています」(八木啓伸監督)
だが、チームに焦りや悲壮感がある訳では無い。選手たちからは自分たちの実力を把握した上で、前向きにチーム力を上げていこうとする意思が感じられる。
八木監督は、例え個々の力が相手よりも劣っていたとしても、チーム全員の力で粘り強い野球をしていこうと呼びかけたことを明かす。
「個々で見れば(前チームより)劣っている面もあるかもしれません。ですがお互いの力を絡め合い、チーム一丸で納豆のように粘りの野球をやりたいなと1、2年生には話をしました」
八木監督の呼びかけを受け、主将の川上 陸斗もチームが一丸になれるような意識を大切にしていると語る。特に内野手には、チームに合流して時間の経っていない1年生の選手が多い。コミュニケーションの機会を多く作り、八木監督の目指す「納豆のように粘りの野球」を体現するべく必死だ。
「去年の中心選手がいなくなり経験不足だと思うので、そこをどう補うか考えながらやっています。まだできていませんが、徹底事項は試合の前に確認して最低限そこはやっていこうと言いながらやっています」
【次のページ】 バッテリーを中心に戦い福岡県のチャンピオンに
コメントを投稿する