目次

[1]限られた環境だからこそ密度を濃くした練習
[2]ピッチャー対チームの構図で戦う


 過去に3度の甲子園を経験し、今夏の東東京大会では優勝した帝京と準決勝で激突。敗れ亜はしたものの、7回まで1点リードする展開で王者を苦しめたのが東亜学園

 男子バレー部は全国制覇8度を誇る屈指の実力を持っており、野球部も毎年注目集める実力校として有名だが、グラウンドに行くと強豪とは少し違った印象を受けた。

限られた環境だからこそ密度を濃くした練習


 中野区に学校を構えている東亜学園だが、グラウンドは少し離れた小平市にある。授業が終わってからグラウンドに移動するが、そのグラウンドの形が特殊になっている。ライトが極端に狭く、ホームからネットまでが60メートルほどとのこと。

 そのため、バッティング練習をしていても、打球がネットを超えるのが取材日も多く見受けられた。グラウンドの様子をしっかり見ながら練習を見ていると、選手たちは木製バットを使って打撃練習に打ち込んでいた。

 金属バットを使ってしまうとネットを超えてしまうため、それを少しでも減らすために木製バットを使っていると指揮官の武田朝彦監督は語る。だが、そこにはちょっとした細工が施してある。

 「学校に協力して用意してもらった竹バットですが、85.5センチと少し長めになっています。これを大会3日くらい前まで使って打たせています」

 通常のバットは82もしくは83センチが多い中で、なぜ85.5センチ長めのバットを使って練習をさせているのだろうか。
 「少し長いので、それでヘッドの重さを感じながら振ることができます。その結果、飛ばす感覚を掴みやすくなります」

 ヘッドの走りや遠心力といったものを体に染み込ませるために、少し長めのバットを使っている。練習環境に限りがあり、ボールを打ち込む時間や量にも限界がある。制限がある中で、密度の濃いものにしていくためにも「技術を磨くしかない」と武田監督は考えており、木製バットはその一役を担っている大事なアイテムなのだ。

 その効果を武田監督はこのように語る。
 「金属バットはどこに当たっても飛ばせるので、力任せにどんな軌道でスイングしても強い打球が飛びます。ただ木製バットは先っぽや詰まれば折れますので、身体の近くでバットを使って、ヘッドを返さずにボールの内側を捉えるように最短距離で出していく。インサイドアウトの技術は習得しやすいです」

 実際に旧チームから試合に出場し、新チームでは4番に座る主砲・鈴木浩太朗に話を聞いても、「木製バットを使うことで、ミート力に繋がっていますし、試合ではしっかりバットを振ることができています」と確かな手ごたえを感じていた。

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