第1034回 強豪私学とも渡り合う兵庫の公立進学校。長田に宿る「文武両道」を地で行く精神2020年09月01日

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【目次】
[1]入学前から選手に宿る文武両道の理念
[2]厳しい戦いを予想した新チームの実践力

厳しい戦いを予想した新チームの実践力



ミーティング中の長田の選手たち

 そんな長田高校は、夏の兵庫県独自大会ではブロック2回戦で強豪の育英を破るなど存在感を見せたが、5回戦で三田松聖に10対2で敗れてベスト16で夏を終えた(大会は5回戦までで打ち切り)。

 翌日の8月8日から新チームは始動したが、実力のある選手が多かった前チームと比べると、苦しい船出であったことを永井監督は明かす。

 「なかなか練習も積めていない中で、レギュラーはおろか、ベンチ入りを経験した選手もほとんどいない状況でした。厳しい戦いになるかなと感じていました」

 大西主将も同じであった。

 前チームは例年と比べて選手の体格も大きく、捕手の竜波 駿平が兵庫県選抜に選ばれるなど軸となる選手もいた。経験も実力もあった先輩たちが一気に抜けて、当初は不安な中での練習が続いていた。

 「自分は、先輩たちに引っ張ってもらっていた立場でした。先輩たちのようにできるかふあんでした。体格の面でも僕たちの代はそんな(大きな)選手がいないので、守り勝つ野球を目指そうと思いました」

 その言葉からも不安な心境は伝わってくるが、いざ練習試合がスタートすると意外にもチームは機能して、永井監督が思っていた以上の勝率を残すことになる。
 選手たちの実践の強さには思わず永井監督も「思っていた以上だった」と口にし、チームとしての形も少しずつ見えてきたことを明かす。

 「試合のスコアや失点も悪くなく、予想以上のスタートが切れました。もちろん、まだまだ不安ことも多いので、あとその部分を詰めていきたいと思っています」

 実戦で結果を残せた要因の一つが投手陣だ。
 投手陣の中心である三木佑投手が、想定していた以上の投球をしたことで、試合が崩れることがなかったのだ。

 「決して良い訳ではない」と辛口の永井監督だが、主戦となる候補が見つかったことには安堵の表情を見せる。

 「まだまだ課題は多いです。それでも四球を多く出すとか、そういったことが無かったのは良かったです。仮のエースみたいなものですが」

 少しづつ、新チームの形が固まりつつある長田高校。
 迎えた秋季兵庫県大会では、ブロック予選の初戦で科学技術に8対5で勝利したが、代表決定戦の神戸学院大附との試合では、惜しくも3対4で惜敗。敗者復活戦へ回ったが、何とか勝ち上がり県大会にへの出場権をつかみ取った。

 これまで地道な選手育成によって実績を残してきただけに、今後の成長も楽しみなチームである。「文武両道」を地で行く選手たちの、伸びしろに注目だ。

(取材=栗崎 祐太朗)


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