2001年センバツ、2003年夏の甲子園優勝経験があり、その後も甲子園に何度も出場し、茨城きっての名門・常総学院。新型コロナウイルス感染拡大の影響による緊急事態宣言が全国に拡大されたことで、まとまった全体練習ができない日々が続いた。5月18日から全体練習が再開され、夏の独自大会に向けて調整する日々である。現在は強豪校との練習試合が続き、総仕上げに入っているが、ここに至るまで細部までこだわった練習内容があるといっても過言ではない。
今回は常総学院の注目選手について紹介していく。
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力強さとしなやかさを備えた選手を作り上げる常総学院の練習メソッド【前編】
今年は守り勝つチーム。一條、菊地以外で好投手が続々

一條力真(常総学院)
例年、茨城のトップを走る常総学院。今年は150キロ右腕・菊地 竜雅、最速146キロ右腕・一條 力真と能力が高い投手が揃っている。ただ今年の常総学院はそれだけのチームではない。
前チームは高校通算58本塁打の菊田 拡和(巨人)を筆頭にスラッガー揃いのチームだった。しかし今年は走攻守三拍子揃った選手たちが一條、菊地の脇を固め、守り勝っていくチーム。昨秋の県大会では1試合の最多失点はわずか2という抜群の安定感で関東大会まで勝ち上がった。
しかし関東大会の健大高崎戦では逆転負けを喫した。
「菊地の調子が上がらず、一條もこの試合では詰めの甘さを残し、試合を落としてしまいました。選手たちはこの悔しさを忘れずに冬の練習に取り組んできました」また主将の中山 琉唯にとっても痛恨の試合だったと振り返る。
「自分も含めて、チームとしてやることが徹底されていなくて、それができなくて悔しかったです」
冬では体作りや個々のスキルアップに取り組んできた。一冬超えて、伸びてきた選手も多い。まず主力選手について。エースの菊地竜雅は昨秋、関東大会に敗れた悔しさから日々の取り組み、ケアを見直し、さらにプロ野球投手の映像を見直したり、山本由伸投手のジャベリックスローの映像を見て、ジャベリックスローを自ら購入するなど探究心豊かな姿勢でレベルアップ。昨年と比べても制球力、打者との駆け引きのレベルが高まった。
もう1人のエース・一條も189センチ82キロまで増量し、6月以降の練習試合では最速145,6キロをマークしているという。また正捕手の中山は「まだ2人以外にも良い投手はいます」と語るように、最速141キロの速球に加え、切れのある変化球を内外角に投げ分ける江幡大輝、130キロを超える右腕・市村大翔、左腕・小林優吾など菊地、一條に負担を書けない形で勝負ができる。
ここまで順調な仕上がりを見せており、本番へ向けて準備が整った。