目次

[1]食育、故障を防ぐためのメニューにこだわる
[2]やらされる練習にさせないことが、選手の仕上がりをよくする

 2001年センバツ、2003年夏の甲子園優勝経験があり、その後も甲子園に何度も出場し、茨城きっての名門・常総学院。新型コロナウイルス感染拡大の影響による緊急事態宣言が全国に拡大されたことで、まとまった全体練習ができない日々が続いた。5月18日から全体練習が再開され、夏の独自大会に向けて調整する日々である。現在は強豪校との練習試合が続き、総仕上げに入っているが、ここに至るまで細部までこだわった練習内容があるといっても過言ではない。

 今回は常総学院の強さを知るべく練習を徹底潜入。着実に技量を高める常総学院の練習メソッドをお伝えしたい。

食育、故障を防ぐためのメニューにこだわる



 常総学院の選手といえば、強さの中にしなやかさを持ち、さらに野球の基礎がしっかりとした選手が多い。野手でいえば、攻守ともに高く、肩も強い選手が多い、投手は球速、変化球、コントロールだけではなく、フィールディングといった細かな技術力も高い。そんな選手たちはどう育て上げることができるのか。

 まず体づくりの面から沿って説明をしていきたい。常総学院は83人中、71人が寮通いで、朝食は学内の食堂でしっかりと摂る。現在は密にならないよう、学年別に分けながら、工夫をして朝食を食べている。

 必ず昼食は学内の食堂でバランスよく食べ、休日練習の時は女子マネージャーが手作りで丼もので食事を作る。練習日では牛丼をふるまっていたが、他にはカレー、五目ご飯など高校球児にはうれしいボリュームたっぷりのメニューを作成しており、常総学院の選手たちの体づくりを支えている。

 その中で大きく増量したのが、3年生の石川光。一冬で75キロから12キロ増量の87キロに成功。食事や睡眠時間を工夫したことが大きいようだ。

 そして7月5日の水戸葵陵との練習試合では決勝の満塁本塁打を放ち、パワーアップに成功。ダブルエースの一角・一條 力真も184センチ67キロから189センチ82キロまでサイズアップしているように常総学院の選手はこの3年間で大きくパワーアップを遂げる。

 常総学院は見た目のサイズアップだけではなく、故障を防ぐためのメニューもこだわっている。朝9時から始まった取材日の練習では、種類豊富なランメニュー、肩甲骨の柔軟性、手首の柔軟性を鍛えるためにペットボトルを使ったトレーニング、全身をほぐすストレッチと、入念に行っている。

 佐々木監督は「実戦でどれだけパフォーマンスが出るのか大事なテーマだと思います。それと同じくらい怪我をしない体作りも大事だと思いますし、ストレッチ、インナーマッスルを鍛えるトレーニングも行います。野球部としては全体練習が5月18日からスタートしたのですが、どうしても日にちを重ねると、疲れが出てしまう時期があります。そこでなんとなく練習をするのではなく、ストレッチをすることで、きちっと丁寧に疲れを取る意味でやっています」

 その後、実戦練習に入り、シートノック、打撃練習が行われた。シートノックでは短い時間ながら、中継プレー、タッチプレーをきっちりと行う。特に3年生になるとその完成度の高さは素晴らしく、ほとんどミスがない。佐々木監督も「3年生の完成度は高いです」と評価する。さらにシートノックの横では投手ノック。いろいろな打球を転がし、投手はフィールディングを磨く。長身右腕・一條も入学当時、フィールディングが非常に苦手だったが、常総学院の3年間でノックを受け続けた結果、正面に転がった打球に対して、素早いターンで二塁に送球ができており、鍛錬の成果が伺えた。

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