第1001回 明石商に勝つためでなく全国の壁を破るため。秋の兵庫県王者・報徳学園が見せる強豪の矜持2020年04月06日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
【報徳学園の練習の模様をギャラリーでチェック】
[1]期待通りの力を発揮したエースと頭角を現した主将
[2]兵庫県が破れていない「全国ベスト4」の壁を破る

 2018年の第100回全国高等学校野球選手権大会で、ベスト8進出を果たした報徳学園
 昨秋は兵庫県大会を制して、ベスト4に進出した2017年以来の選抜甲子園を目指したが、近畿地区大会では初戦で天理に1対7で完敗。自信と課題を残す秋となった。

 チームは勝ち上がっていく中で、どんな成長を遂げ、また春以降に向けてどんな課題を残したのか。就任3年目迎えた大角健二監督、そして主力である三宅 雄雅坂口 翔颯の言葉から紐解いていく。

期待通りの力を発揮したエースと頭角を現した主将



主将で1番を任される三宅雄雅(新3年)

 「良く振れる選手は多かったのですが、上手さのある選手はいなかったですね。しっかりと固定されたメンバーではなく、探り探りでどれが一番ハマるかと、地区大会、県大会とオーダーも変わっていきました」

 昨年の秋季兵庫県大会で、6年ぶりの優勝を飾った報徳学園。決勝ではドラフト候補の中森 俊介来田 涼斗を擁す明石商を下し、県最多の13度目の優勝となったが、大会当初は打線の対応力に課題があったことを明かす。

 「振ろうという姿勢はあるのですが、対応力という面では実戦不足かなと感じていました。持っている力を見れば面白い勝負ができると思っていましたが、レギュラーの半分くらいは1年生です。大舞台や、相手が強豪校だったときの不安もありましたね」

 その中で、まず大きな存在感を見せたのはエースの坂口 翔颯(新3年)だった。140キロを超える速球とキレのある変化球を武器とする坂口は下級生時から公式戦のマウンドも経験しており、新チーム結成当初から柱となる存在だった。

 秋季大会でも地区大会から安定した投球を見せていたが、大角監督が「一つの山」として挙げたのが3回戦の育英戦だ。報徳学園は1対0と接戦をモノにし、中でも坂口は圧巻の投球を見せた。

 「育英を相手に1年生がどれだけ力を発揮してくれるかなと思っていましたが、坂口が3安打完封と非常に良いピッチングを見せてくれました。
 坂口はどちらかといえば技巧派ですが、パワーピッチャーにもなれる素質があります。コントロールが良く、球種も多いので右バッターでも左バッターでも関係なく投げることが出来ます」

 またエースの奮闘に感化されるように、打線でもキーマンとなる選手が現れた。主将の三宅 雄雅(新3年)だ。

 当初は下位打線を打っていた三宅だが、大会を勝ち進む中で打撃が開花。大角監督は三宅の成長について、「しっかりとフルスイングする中で確実性も上がった」と話し、打順は1番に固定された。

 三宅は、成長の裏に打撃フォームの改革があったことを明かす。
 「磯野(剛徳)コーチにツイスト打法を指導していただき、それが自分にハマりました。元々体が開く癖があったのですが、それが無くなり確実性が出てきました」

 エースが力を見せ、そして主将が打撃でもチームを牽引し始めた報徳学園。これが秋の躍進に繋がっていったのだ。

【次のページ】 兵庫県が破れていない「全国ベスト4」の壁を破る

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
天理vs橿原【奈良県 2020年秋の大会 令和元年秋季近畿地区高等学校野球大会奈良予選】
第136回 やんちゃ坊主、甘えん坊でも能力は凄かった2018年U-15日本代表。コーチを務めた元プロ・徳元敏氏が語る侍戦士たち【西日本編】【高校野球コラム】
第14回 甲子園のヒーローは指導者の道へ。近田怜王さん(報徳学園出身)にとって高校野球とは人生そのものだった vol.4【甲子園のヒーローに会いに行く】
第13回 一度は諦めた野球。母の支えと恩師の激励で掴んだ夏の聖地 近田怜王さん(報徳学園出身)vol.3【甲子園のヒーローに会いに行く】
第11回 最速137キロを計測するスーパー中学生だった近田怜王さん(報徳学園出身)の野球人生の始まり vol.1【甲子園のヒーローに会いに行く】
第1037回 真の強豪を目指す報徳学園。投打ともにタレント揃いの今年のチームの課題とは【野球部訪問】
明石商vs桐生第一【2020年甲子園高校野球交流試合】
広島新庄vs天理【2020年甲子園高校野球交流試合】
天理vs奈良大附【奈良県 2020年奈良県高校夏季野球大会】
天理vs奈良朱雀【奈良県 2020年奈良県高校夏季野球大会】
第1142回 秋に台頭した報徳学園の核弾頭・三宅雄雅 覚醒の秘訣は「ツイスト打法」の習得 【2020年インタビュー】
第1141回 大阪桐蔭戦で好投し、注目を浴びた193センチ右腕・達孝太(天理)。憧れはダルビッシュ有 【2020年インタビュー】
第1135回 評価急上昇の巧打堅守の2番セカンド・中嶌優(中京大中京)はチームメイトも認める努力家 【2020年インタビュー】
第1135回 三拍子揃ったプレースタイルが武器の荒木颯太(熊本泗水ボーイズ) 小園海斗を目標に春から報徳学園へ  【2020年インタビュー】
第1133回 強打の天理の中で守備の人・杉下海生(天理)。目指すは「U-18代表のショート」 【2020年インタビュー】
坂口 翔颯(報徳学園) 【選手名鑑】
三宅 雄雅(報徳学園) 【選手名鑑】
明石商 【高校別データ】
天理 【高校別データ】
報徳学園 【高校別データ】

コメントを投稿する

野球部訪問トップに戻る サイトトップに戻る

コラム