第1004回 窮地に対して動じずに凌ぎ切った夏。現実を突きつけられた秋 金光大阪(大阪)2020年01月15日

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【目次】
【金光大阪の練習の模様をギャラリーで】
[1]普段通り、落ち着いてピンチを乗り越えてきた
[2]厳しい現実を受け入れ、課題を乗り越えていく

 2018年に2度目の春夏連覇を達成し、2019年秋には近畿大会準優勝。高校野球界の超名門・大阪桐蔭は、昨夏準々決勝で姿を消している。延長14回のタイブレークまでもつれる死闘となったが、この戦いを制したのが金光大阪だ。

 過去3回甲子園に出場し、OBには吉見一起(中日)や陽川 尚将(阪神)がおり、昨秋もベスト4まで進出。名実ともに大阪府内の強豪の一角を担う学校だ。そんな金光大阪は2020年の夏に向けてどんな課題をもって練習に取り組んでいるのか。

普段通り、落ち着いてピンチを乗り越えてきた



アップをする金光大阪の選手たち

 2018年の秋には大阪桐蔭、そして2019年の春は東海大仰星に敗れてともに3回戦敗退。ライバルの前に上位進出を阻まれてきたが、「いろんな可能性があり、チャンスはあるかな」と思っていたのが、チームを指揮する横井一裕監督だ。

 吉見投手や、陽川選手らを育てた名将は、「枝、葉になるような選手はいました」と旧チームには期待を寄せていたが、「幹、軸となる選手がいなかったんです」と中心選手の存在が欠けていたことをあげた。

 そんな不安材料を抱えたまま迎えた夏、「1、2回戦は心もとなかった」と振り返りながらも、4回戦でエース・鯵坂 由樹(3年)の完封。そして5回戦の大阪商大堺もコールド勝利するなどベスト8まで進出。準々決勝で大阪桐蔭と再び激突することとなった。

 この試合、「絶対に勝たないといけない」という強い覚悟を背負って投げた先発・辻本 湧斗。そして鰺坂の2人のリレーで粘り、4回タイブレークの末に4対3で大阪桐蔭に勝利をおさめた。すると準決勝の東海大仰星も7回コールドで下し、履正社との決勝戦へ。試合には2対7で敗戦したが、秋と春が3回戦で敗戦したチームが快進撃を見せたのは紛れもない事実だ。



体幹トレーニングをする金光大阪の選手たち

 では何がチームを強くしたのか。横井監督は落ち着くこと、冷静でいられたことをあげた。
 「大会が進むにつれて落ち着いて状況を確認してから、プレーに入るようになりました。特にキャッチャーの古川優生が落ち着いてきました」

 旧チームの金光大阪は、鯵坂と辻本の2枚看板と3番に座った佐々木 慶矢が中心選手だった。ただ横井監督は、投手陣を牽引した扇の要・古川の成長し、軸となったことをあげた。
 「しょっちゅうベンチを見てきたのですが、『コントロールミスしちゃあかん。点数を取られちゃあかん』と考えるのは全国の球児が同じなんだから、打たれるのは仕方ない。ただ、どれだけミスを小さくできるかを考えさせました」

 するとプレーに自信がついてきたのか、5回戦以降はベンチを見ることがなくなった。ピンチに対して動じることなく、冷静に対処し始めた。

 また、大阪桐蔭に勝利した後、「(大阪桐蔭さんに)サヨナラ勝ちしましたが、ウチは通いなので家に帰ると選手が周りの人から褒められるんです。それはありがたいことなので、『ありがとうございます』と言おうと。ただ、周りは浮かれていても自分たちは落ち着いていこう」と選手たちには伝えたのだ。

 自信と過信は紙一重だが、金光大阪の快進撃は過信することなく落ち着いて野球に取り組めた姿勢が、夏の準優勝にあったのだ。

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