第995回 超一流だけではない。全部員を活躍させる大阪桐蔭メソッドに迫る vol22019年12月25日

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【目次】
【大阪桐蔭の練習の模様をギャラリーで】
[1]多くの選手を伸ばすプロ野球方式の運営
[2]育成試合の目的は課題を見つけること

育成試合の目的は課題を見つけること



急成長中の岩本賢志投手

 この運営の最大の狙いは課題を認識させることだ。
 「この期間は課題を見つけてほしいです。試合に出なかったら失敗しない。試合に出ないと、なんとなくできるんだろうという気持ちになって、上達につながらない。試合を積ませてうまくいかないことを発見することが大事なんです。出てきた課題を向き合っていく。題材づくりのための期間なんです」

 また西谷監督は選手たちへチャンスは2種類あると説明している。「与えるチャンス」が11月の育成試合期間。「つかむチャンス」はベンチ入り選考にかかわる紅白戦で、結果を残し、ベンチ入りを勝ち取ることだ。12月は気候が温暖なこともあり、紅白戦を5試合行ったが、これはメンバー選考をつかむための意味合いがある。

 この期間で伸びていくのは例年、1年生が多く伸び、春の大会でベンチ入りする選手が多い。今年も1年生の台頭が目立ったが、スタッフの意見を統合すると、ここにきて2年生投手の伸びが著しい。

 近畿大会ではエース・藤江 星河、チーム一の速球派右腕・申原 理来の2年生が出ていたが、それ以外は松浦 慶斗竹中 勇登関戸 康介の1年生がベンチ入りしていた。3人の能力が高く、抜擢されたのも1つの要因だが、2年生投手のコンディション状態が良くなかったのも1つの要因だった。

 だが秋の大会が終わると、2年生投手が練習試合で好投。その中で、急成長を見せているのが、岩本 賢志だ。主に投手を担当する石田寿也コーチからも「身長も180センチを超えて、140キロ前後の速球を投げられます」と語る大型左腕。



トレーニング中の様子

 実は前チームからベンチ入り候補だったが、故障のため外れていたが、ここにきて伸びてきており、エース・藤江の隣で投げていたが、ボールの勢いはほぼ変わらなかった。西谷監督も「良くなってきましたし、メンバー候補へ近づいている」と評価する。また、三好遼也、又吉将太の両右腕も成長してきているという。

 効率的な運営により選手育成を行う大阪桐蔭メソッド。この運営を成功させているのは西谷監督をはじめとしたスタッフの方々は良ければしっかりと良いとたたえることだ。過大評価してはならないが、能力ある選手を正当に評価することはとても大事なことだ。

 そういう姿勢こそが選手のモチベーションとなり、成長の下支えとなっているのではないだろうか。そういう方々だからこそ今の運営方式が出来上がったといえるし、これまでプロに行く選手だけではなく、大学・社会人で活躍する選手を多く輩出しているのではないか。

 次回は球児の皆様にとっても関心のある大阪桐蔭のトレーニング、練習内容に迫っていきたい。1つのメニューでも実戦を意識したものが多く、これが高校生離れしたパフォーマンスを生んでいるのかと納得できた。ぜひ写真、動画を見て参考にしていただければ幸いだ。

(文・河嶋 宗一

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12月25日(水)
【コラム】野球部訪問 vol.2(12:00)
【動画】捕球・キャッチボール編(21:00)

★26日~31日まで、年内はまだまだ大阪桐蔭のインタビューや野球部訪問を公開するよ!

1月3日(金)
【動画】「大阪桐蔭野球部の今」スペシャル編

★1月もまだまだインタビューや野球部訪問を公開するよ!お楽しみに!

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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