第995回 3季ぶりの甲子園出場・全国制覇を狙う大阪桐蔭の現在地。「我の強い集団が1つになったとき」2019年12月24日

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【目次】
【大阪桐蔭の練習の模様をギャラリーで】
[1]我が強いことは悪いことではない。チームが1つになった瞬間
[2]明石商戦で感じたチームが1つになった瞬間


 2018年、史上初の二度目の春夏連覇を果たした大阪桐蔭。しかし2019年は春、夏ともに甲子園出場ができず、悔しい1年となった。3季連続甲子園出場なしは避けなければならないという思いからスタートした今年のチームは近畿大会決勝まで勝ち進み、2年ぶりの選抜出場が近づいている。

 今回は2020年、オリンピックイヤーでの飛躍が期待される大阪桐蔭特集を半年ぶりに再開します!まず初回は近畿大会準優勝になるまでの過程を振り返っていきます。

我が強いことは悪いことではない。チームが1つになった瞬間



監督の話を聞く大阪桐蔭の選手たち

 12月。
 大阪桐蔭は個人練習期間に入る。これは、組織的なプレーは行わず、選手がそれぞれのスキルアップのために取り組む期間である。この期間は選抜出場の可否によって決まるが、練習に取り組む選手たちは真剣さがありながらも、どことなく明るい。

 近畿大会決勝まで勝ち進んだことは間違いなくモチベーション高く練習ができているのが伺える。

 夏は大阪大会準々決勝で終了。主砲・西野 力矢など実力ある選手が多く揃うこの世代の中で、藪井 駿之裕が主将に就任した。薮井は大東畷ボーイズから主に内野手として活躍。

 薮井のはとこは報徳学園で活躍していた氏家大輔氏。氏家氏の応援で2008年夏の甲子園で報徳学園vs大阪桐蔭戦を見ていた薮井は大阪桐蔭の強さを実感して、憧れを持った。誘いを受けたときは非常にうれしい気持ちになったという。

 1年秋の近畿大会でベンチ入りしたが、この春、夏とベンチに外れ悔しい思いをしていた。

 2年前は中川 卓也、1年前は中野 波来と下級生時代からレギュラーとして活躍していた選手が就任しているだけになかなかない抜擢だ。

 

 西谷浩一監督は「主将選びの基準にベンチ入りの有無は関係ない」と語るように、薮井は同学年の選手からの人望が厚く、西谷監督と2年生との個人面談でも薮井を推す声が非常に多かった。

 薮井は前主将の中野に報告し、「頑張ってくれ。『俺たちは出ていないから春の甲子園に何としてでも出てくれ』といわれたときは頑張ろうと思いました」と主将としてチームを引っ張ることを心に決めた。



大阪桐蔭・西谷浩一監督

 夏休みでは、2016年以来の夏の甲子園出場なしということもあって、約1か月間は練習と練習試合の毎日。西谷監督は「とても充実した練習ができたと思います」とチーム作りは順調に進んだ。

 ただ薮井はチームをまとめることに苦労したと振り返る。「最初はバラバラでしたね。言い方は悪いですが、自己中心的な選手が多いんです。僕たちの学年は23人いるのですが、23通りの考え方、さらに自分が一番になりたい思いがあるので、まとめるのはしんどかったですね」

 我が強いことは悪いことではない。もともと全国制覇したい、プロに行きたい。そういう上昇志向を持った選手たちの集まりが大阪桐蔭である。

 薮井は選手たちのベクトルが1つの方向に向くために副主将の柳野 友哉吉安 遼哉清水 大晟や前チームから出ている選手を含め10人を中心にミーティングを行った。そこで出た答えはお互いを認め合うことだった。

 「今の2年生は1人1人が負けず嫌いで、自分が一番という気持ちの選手が多いので、競争心が高いです。競争をしていく中で、だからお互いが認め合い、1人1人の努力を認めることを大切にして、良いチームを目指そうと思いました」

 ようやくまとまり出したのは、大阪府大会準決勝に勝利し、決勝戦の相手が履正社に決まった後からだ。決勝戦まで1週間あったことで、勝つためにどうすればいいか話しあうようになった。
 「履正社さんは夏の甲子園で優勝されているチームなので、勢いもあって、経験もあります。そういうチームが勝つためにどうすればいいのか、岩崎君をどう打てばいいのか、毎晩遅くまで話し合ったり、素振りも一緒にするときも仲間に『今の感じはどう?』と確認しあったり、一緒に練習しはじめてまとまってきたなと感じました」

 一番になりたい気持ちが強い選手たちが宿敵を破るためにどうすればいいか協力するようになり、チームが1つになる転機となったのだ。

【次のページ】 明石商戦で感じたチームが1つになった瞬間

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中川 卓也(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
中野 波来(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
西野 力矢(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
柳野 友哉(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
藪井 駿之裕(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
吉安 遼哉(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
大阪桐蔭 【高校別データ】

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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