第995回  岐路に立たされている女子野球、新しい道を開くカギとは?神村学園女子硬式野球部【後編】2019年12月22日

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女子野球の魅力とは何か…模索は続く



やる前にストレッチをしてからキャッチボール

 「安定した人間になろう!」
 練習後のミーティングで江口拓也コーチが話していた。

 男子でも難しい一三塁の攻防だが、今のチームでもきちんとアウトを取れたり、スキを突いて得点できるレベルにはなっている。ただちょっとでも気を抜くと、プレーが雑になり、ミスを連発してしまう。

 大事なのは「『最低』のレベルを上げること」だ。調子の良し悪しに関わらず、最低限できることのレベルを上げなければ、いざ本番で使えない。そのためには自身の内面が安定していることや、お互いを理解し合える心の余裕が要る。男子野球部のOBの江口コーチ自身が高校野球時代の教えを思い出して、人間性を高めていくことの大切さを説いていた。

 

 「女子野球の魅力は何か?」 インタビュー中、橋本監督と話題になった。バスケットボールやバレーボール、ソフトボール、ハンドボール…国内でも球技には女子のトップリーグがあり、それなりの地位がある。女子サッカーもなでしこジャパンの世界的な活躍などで、注目を浴びるようになった。同じ球技でも野球の男女格差は他のどの競技よりも大きいものがある。

 「野球が好きで一生懸命やる」(橋本監督)思いは男子に負けない、もしかすると男子以上の「純粋さ」や「清々しさ」があるかもしれない。プレーの面でパワーやスピードで男子にかなわないが、女性特有の持つ「柔らかさ」「しなやかさ」が表現できないだろうか…

 20年以上、女子硬式野球の指導をしている橋本監督もこれといった答えは思い浮かばなかった。昨今、女子のプロリーグも大きな岐路に立たされている今、「老舗」の神村学園がそれを示すことができたら、新しい道が開けるのかもしれない。

(取材・政 純一郎

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プロフィール

政純一郎
政 純一郎(つかさ・じゅんいちろう)
  • 生年月日 1974年12月18日
  • 出身地 鹿児島市
  • ■ 経歴
    鶴丸高校―同志社大
  • ■ 鹿児島新報で6年間スポーツ担当記者。2004年5月の同社廃刊後、独立
  • ■ 「スポーツかごんまNEWS」を立ち上げ、野球、バスケットボール、陸上、サッカーなど主に鹿児島のスポーツを取材執筆する。2010年4月より奄美新聞鹿児島支局長を兼務
  • ■ 著書に「地域スポーツに夢をのせて」(南方新社)「鹿実野球と久保克之」(同、久保氏と共著)
  • ■ Webでは「高校野球ドットコム」、書籍では「野球小僧」(白夜書房)「ホームラン」(廣済堂出版)「陸上競技マガジン」(ベースボールマガジン)「月刊トレーニングジャーナル」(ブックハウスHD)などに記事を寄稿している。
  • ■ 野球歴は中学から。高校時代は背番号11はもらうも、練習試合に代打で1打席、守備で1イニングの試合経験しかない。現在はマスターズ高校野球のチームに所属し、おじさんたちと甲子園の夢を追いかけている
  • ■ フルマラソンの自己ベスト記録は3時間18分49秒(2010年のいぶすき菜の花マラソンにて)。野球とマラソンと鹿児島をこよなく愛する「走るスポーツ記者」

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