第647回 埼玉県の勢力図に楔を打ち込んだ山村学園(埼玉) 躍進の裏にあるのは徹底した体作り2019年11月14日

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【目次】
[1]「こなし」の良い選手に声を掛けて体作りを第一に考える
[2]地区予選敗退となった新チームの現状

 今夏、第101回全国高校野球選手権埼玉大会で決勝進出を果たし、甲子園まであと一歩のとこまでいった山村学園。惜しくも甲子園出場はならなかったが、2008年の創部から年々実力を伸ばしていき、近年の躍進は強豪ひしめく埼玉県の勢力図に楔を打ち込んだと言っても過言では無い。

 この僅か10年の間で、山村学園は一体どのようにして力をつけていったのだろうか。山村学園の岡野泰崇監督の言葉を辿りながら、秋季埼玉県大会西部地区予選で敗退した新チームの現状についても迫った。

「こなし」の良い選手に声を掛けて体作りを第一に考える



打撃練習をする山村学園の選手たち

 2010年に山村学園の野球部監督に就任し、チームの強化を託された岡野監督。
これまで高い能力を持った選手の獲得を試みたこともあったが、なかなか上手くいかない現状があった。

 「今でこそ強いシニアやボーイズの主力選手が少しずつ来てくれるようになりましたが、正直これまでは声を掛けても来てくれませんでした。私がいい選手だなと思って声を掛けてもみんな良い選手だと思っているので、やはり関東圏の強豪校にいってしまいます」

 そうした中で、岡野監督が考え出したのが「一芸に秀でた選手」と「こなしの良い選手」に声を掛けることであった。
強豪校に進む選手の多くは「肩が強い、足が速い、打球が飛ぶ」の三拍子のうち、最低でも二つの能力を持っており、また成長のスピードが早くために体が出来ている選手が多い。

 そこで考えたのが、「肩が強い、足が速い、打球が飛ぶ」のうち一つでいいから秀でたものを持っている選手、もしくは体は出来ていなくても神経系が整ってる「こなし」の良い選手に声を掛けることであった。



チームを率いる岡野泰崇監督

 「『こなし』がいい選手は神経系が整っているので、無いのは筋力だけです。
 ピッチャーで言えば、『今は筋力が無いから球も遅くて打たれてしまうけど、この子が大きくなって力がつけばいい選手になるよね』といった選手です。そういった力の無い選手に目をつけて、高校に入ってから体作りに力を入れて育成していくのです」

 また高校入学後の体作りにおいても、山村学園では他校とは一線を画す取り組みで選手を徹底的に鍛え上げている。
 通常であれば冬場のトレーニング期に集中的に行うウエイトトレーニングも、1年間を通してみっちりと行い、7年前からは加圧トレーニングも導入。また練習中の補食やトレーニング後のプロテインもきめ細かく摂らせて、選手の栄養バランスにも気をつけている。

 「前チームのエースだった和田 朋也も浦和シニアの二番手の投手でした。身長は173センチくらいありましたが、体重が50キロ台でとても細かったんです。またセカンド守っていた川島優も、大宮シニアの補欠でしたがとにかく足速かったんですよ。二人とも体が出来れば伸びると思った選手です」

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