目次

[1] 春の大会で優勝。九州でも準優勝
[2]興南に来て、本当に良かったな

  興南高校に入って間もない一年生の夏。宮城 大弥が決勝で美来工科高校を抑えて優勝。それから一年後の夏も連覇し、6名ほどが甲子園メンバーとなった。三連覇を狙った最後の夏は、残念ながら沖縄尚学高校の前に敗れてしまったが、興南高校野球部として彩りを見せてきた彼らの足跡は、これから先も決して色褪せるものではない。

U-18選出の宮城 大弥とともに、高校野球に情熱を傾けてきた4人の三年生に話を伺い、彼らの思い出話しを聞いてきた。

前編はこちらから
「色褪せない3年間の記憶」一番良いゲームだった沖縄尚学戦 興南高校三年生座談会

<メンバー>
金城 英佑(一塁手)
主将としてチームをまとめた。秋の県大会、三塁打1本、二塁打2本で打率4割ちょうど。決勝では先制タイムリー。秋の九州大会、熊本国府戦で6回にレフト線への二塁打を放った。

遠矢 大雅(捕手)
宮城 大弥をはじめ、又吉航遥、西江 悠の投手陣を支えてきた。秋の県では全6試合でヒットをマーク。打率5割に加え、三塁打2本、二塁打1本と長打力も披露した。

勝連 大稀(遊撃手)
主に3番でクリーンアップを務めてきた好打者。秋の県大会では6試合中5試合でヒットをマークし三塁打2本。九州大会の熊本国府戦では、第1打席で二塁打を放った。

新垣 和哉(外野手)
秋の県大会で4番ライトとして19打数8安打、打率.421。九州大会でも5番を務めた。熊本国府戦では5回、一死満塁でキッチリと犠牲フライで打点を挙げた

春の大会で優勝。九州でも準優勝


―― 春の大会で優勝。九州でも準優勝!という立派な成績を収めました

金城 「投手陣が宮城一人ではどうにもならないぞということで、又吉と西江が成長した春。打撃陣も、低くて速い打球で抜いて行く場面が作れた。」

遠矢 「自分的にはバッティングを崩していた春。チームとしては沖縄水産にも勝ったし、九州2位。でも個人的には満足出来ない春だった。」

勝連 「遠矢と同じで全く打てず。オレ、夏まで野球続けていられるのか?と思うくらい落ち込んだ。」

金城 「あのときの勝連は、こっちも見ていて痛々しかったよ。」

遠矢 「自分、秋は5番打ったのに春は8番だったり。準決勝の北山戦。延長で自分に回ってきて。」

全員 「そうそう。覚えている。」

遠矢 「一死二・三塁。あの試合始めての良い当たりでヨッシャー!って思ったら、なんでそんなところにいるの?ってくらい、相手のセンターがキャッチして。結局二塁の大弥も戻れず併殺。勝てたから良かったけど、本当に最悪な春だった(遠矢はこの試合6打数無安打)。」

―― 決勝戦を制して優勝後の遠矢くんが「リベンジの春!」と語ったのが印象的

遠矢 「一年生大会で負けた北山、秋に負けた沖縄水産に勝った。それじゃ筑陽学園にもリベンジします!と、決勝の試合後に言ったけど、まさか筑陽学園と二回戦で当たるとは(笑)。向こうは選抜ベスト8まで進んだし、正直ダメかなぁって思った。」

勝連 「しぶとい野球をした神村学園に勝てたのが、波に乗れたんじゃない?」

遠矢 「当たったら飛ぶというキャラの金城 啓太が名前を連ねて。そしたら神村学園でいきなり弾丸ライナーのホームラン。啓太が走者を全部返してくれての打席だったから、自分としては楽だった(笑)。」

金城 「逆転勝ちが多かったのが九州大会。相手にリードされていても平常心を保っていられたな。」

遠矢 「決勝戦だけは、自分たちの悪い課題が出ちゃった負けだったな。」

 選抜高等学校野球大会ベスト8の筑陽学園に勝ったことで、夏は興南圧倒的優位という説が固まりはじめた。そして迎えた夏。開幕カードだった興南。しかし雨が降り、試合は約一週間スライド。だがこの雨こそ、興南にとって実は、恵みの雨だった。

―― 夏の大会。1回戦から一人ずつに語ってもらいたいと思います。

―― 1回戦 宮古総実戦

勝連 「一回戦の直前、実はチームはインフルエンザで流行っていて。このまま負けるんじゃないか?と思うくらい。雨で流れたことは凄く助かった。気が抜けないか心配だったけど、結果コールド勝ちで良かった。」

  2回まで無得点の興南は3回、根路銘のヒットを足掛かりに、遠矢のタイムリーを含む5打者連続タイムリーで大量5点を奪う。だがインフルエンザの影響か、3,4,5回はヒットを打てず。しかし6回、勝連のタイムリーなどで7点目を挙げコールド勝ちを収めた。

―― 2回戦 前原戦

金城 「前原戦も雨で流れて中止になったんだけど、あのままゲームが進んでいたら落としていたかも知れなかった。そのくらい前原ペースで。仕切り直しという運も、自分たちにあったのかな。大弥が抑えて勝てたけど、夏の怖さを感じたゲームだった。」

 3回まで進んだゲームだったが雨が降り中止になる。翌日、仕切り直しの再試合は1回、ヒットの西里、勝連のヒットと宮城の四球で満塁とする。ここで知念の犠牲フライで先制すると、新垣のタイムリーで2点を先制。それ以降得点することがなかったため、新垣のタイムリーがチームにとって大きかった。

―― 3回戦 具志川商業戦

遠矢 「練習試合でも負けていた相手。打撃力があってウチにとって相性が良くないのが具志川商。でも西里にホームランが出るなど、みんなが打ててコールド勝ち。心の中で自信に変わったゲームだった。」

 2回、このイニング先頭打者の遠矢がヒットで出塁。根路銘が返したあと、西里のレフトスタンドイン3ランホームランが飛び出して流れが一気に興南へ。5回には遠矢のタイムリー、6回にも勝連のタイムリーが出て7-0でコールド勝ちを収めた。